中国メディアの環球網などは11日、日本での報道を引用して、兵庫県警三田署が10日に、暴行容疑で中国国籍の女性と日本人女性の2人を逮捕したと報じた。原因は買い物の際の行列の先頭争いだったという。同報道に対し、中国では「帰って来るな」などの批判のコメントが寄せられはじめた。
2人は紙おむつを買おうと、開店前の商店の店先に並んでいた。どちらが先頭かで言い争いになり、持っていたバッグなどで殴り合ったとされる。警察の調べに対して、2人とも容疑を認めているが、いずれも「相手が先に手を出した」と主張しているという。
同記事のコメント欄には、「ゴミだ。帰って来るな!」、「日本兵の慰安婦になってしまえ。ふたりともクズ。中国国籍を剥奪しろ」、「恥知らず」との書き込みが寄せられている。
中国版ツイッターの微博(ウェイボー)には「人でなし」、「ちょっと前に、中国人同士が粉ミルクを奪い合って殴り合った記事を見た。今日もまた、見出しを見たとたん、中国人と思った。国家の悲劇、民族の悲劇だ。国家が市場をしっかり管理していれば中国国内で安心して国産品を変える。わざわざ国外で殴り合うこともない」などのコメントが集めりつつある。
記事を読む限り、警察は双方を逮捕したのであり、中国人側に一方的に落ち度があったとは解釈できない。にもかかわらず、読者からのコメントの大部分は、中国人側を非難している。日本人側だけを非難する書き込みは見当たらない。
中国では国外に出た自国民によるルールやマナー違反の事例が多いとして問題になっている。一方、日本人についてはルールを守り礼儀正しいとの高い評価が一般的だ。中国国内で、「自国民には問題あり。日本人は学ぶべき対象」との観念が強いため、同事件についての当事者2人に対しての「非対称」な見方が発生したと考えられる。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)