2017年4月の消費税率10%への引き上げと同時に導入する軽減税率をめぐる自民、公明両党の協議は11日に大筋合意する見通しとなった。複数の政府・与党幹部が10日、明らかにした。軽減税率の対象品目は、生鮮食品に加え加工食品にも広げ、必要となる財源は8000億〜1兆円となり、税収の上振れ分などで確保する案が出ている。

 軽減税率協議では、自民党の谷垣禎一、公明党の井上義久両幹事長が5日連続で、対象品目や財源などをめぐり会談。しかし、10日の協議でも結論は得られず、同日夕に予定されていた与党税制協議会は取りやめとなった。両幹事長は11日午後にも会談する予定だ。

 生鮮食品に加えて加工食品もできるだけ軽減の対象にするよう求める公明党の主張を自民党が受け入れたことにより、税収減を埋めるため1兆円規模の財源が必要となった。だがこれまでのところ、消費税増税に伴う低所得者対策の一部取りやめで浮く4000億円しか、穴埋め財源は確保できていない。残りの財源を手当てするため、税収が予算を上回る上振れ分の活用などを求める意見が関係議員らから出ている。