1996年に日本でも公開され、当時の若者を熱狂させたイギリスの青春映画、「トレインスポッティング」の続編制作が決定した。さらに、監督や脚本はおろか、主要キャストも再集結されるとのことで、「うおおおぉぉぉ!」と早くもファンは期待に胸を膨らませている。
原作は一環してドラッグやアルコールに溺れる人間を描いている、アーヴィン・ウェルシュ。短編集『アシッドハウス』。「ロレイン、リヴィングストンへ行く」、「幸福はいつも隠れてる」、「懲りない」という中編3本で構成される『エクスタシー』。極悪警察ミステリー『フィルス』など、挙げた作品はすべて映画化されるほど高く評価されている。そんなウェルシュを一躍有名作家にしたのは、ほかでもない処女作『トレインスポッティング』だ。
不況にあえぐスコットランド・エディンバラで、ケンカ屋のベクビーや気弱なスパッド、女好きのシック・ボーイらと共に、仕事も希望もない中で、ドラッグ漬けの毎日をすごすレントン。ある日、レントンが仲間と一緒にいるときに、売人から大量の麻薬を手に入れたことから、一攫千金を狙い… と物語が展開されるのが、1993年に出版された『トレインスポッティング』となる。どん底を生きる若者や街並みなど、どのシーンを切り取っても現実的に思えてしまうのは、ウェルシュ自らの体験がもとになっているから。同作の舞台にもなっているエディンバラで、労働階級の家庭に生まれたウェルシュは、16歳で学校を辞め、電気修理などの仕事を転々としつつ、ロンドンでヘロインに溺れる生活を送ったという。その後、生活を改め結婚もするが、過去の自堕落な生活が『トレインスポッティング』に生かされた。
結果、イギリスの文学賞のひとつ「ブッカー賞」に選出。1996年には、初の長編作「シャロウ・グレイブ」で注目を集めたダニー・ボイル監督で映画化されることとなった。主人公・レントンには「シャロウ・グレイブ」でも主演を務めたユアン・マクレガー、ベグビーにロバート・カーライル、スパッドにユエン・ブレムナー、シック・ボーイにジョニー・リー・ミラーなど、当時知名度が低かった俳優を起用しながらも、映画は世界中で大ヒット。監督、キャストを一気にスターへと導いた。また、作中に使用された楽曲「Born Slippy」により、Underworldの知名度を飛躍的に上げたことでも有名。
そんな映画「トレインスポッティング」の続編が決定。しかも、「スラムドッグ$ミリオネア」や「127時間」など、ますます評価を上げるダニー・ボイル監督や、1作目でも脚本を務めたジョン・ホッジ、そしてユアン・マクレガーら主要キャストが再集結し、20年後の物語が描かれるとのことだ。
20年経っても色褪せず、いまだポスターなどが制作され、世界中から支持される作品だけに、日本のファンからは「是が非でも観たい!」「あ~、これまた楽しみ~」「『トレスポ』と『シャロウグレイブ』は大好き映画だったから、このコンビでの続編は楽しみ」「カリッカリのユアン。あの頃もステキだったわ、大好きなのよ」「90年代を代表する映画であることには間違いない」「スコットランドのイメージを決定づけた映画」「便器に突っ込んで行くところとかすさまじかったな」「トイレはまた出るのか?」など、楽しみにする声が上がった。
また、「音楽は?」「主題歌はアンダーワールド?」と劇中音楽を気にするファンや、「主人公がちゃんと住宅ローン組んで税金払ってるとこからの転落パターンかな?」と勝手に物語を予想するファン。「前作面白い? 今さらだけど、観てみようかな」「観よう観ようと思いつつ、いまだに観れてない作品のひとつ」と、この機会に1作目に挑戦しようとする人も見られる。
中には「楽しみなような、観るのが怖いような」「続編で汚してほしくない」などの声もなくはないが、概ね期待するファンが多いようだ。1作目公開から、およそ20年。俳優陣もスタッフもそれ相応に年もキャリアも重ね立派になったが、登場人物は当時のまま、ダメ男であってほしいところ? なお、公開は2017年予定。
■『トレインスポッティング』