日頃、健康のために食生活に気をつけていても、今は忘年会シーズン真っ只中ですから、普段よりもお酒の量が増えている人も少なくないのではないでしょうか?
昔から、「お酒をたくさん飲むのは健康に悪い」といわれています。でも、具体的にどんな悪影響が出るのかは、よくわかっていない人もいますよね。
もしもですが、飲酒の影響が“放射線被曝”したのと同等の悪影響だとしたら……? お酒を飲むことで命のリスクを引き換えにしていると思いませんか!?
今回は、タバコより体に悪そうな“大量飲酒”による命のリスクをお伝えします。
■大量のアルコールは被曝と同じ!?
今年の10月13日に神戸国際会議場で開催された「第50回日本アルコール・薬物医学会」で、岐阜大学生命科学総合研究支援センター抗酸化研究部門・特任教授の犬房春彦氏は、大量のアルコールを摂取することの危険性について発表しました。
研究によると、体に老化などの害を与える活性酸素が引き起こす“酸化ストレス”のアルコールによる動きは、大量の放射線を照射した実験とまったく同じ動きだったとか。そして、致死量に近い6Gy(グレイ)の放射線照射と同レベルの高値であることから、「大量飲酒の危険性が数値で証明された」と述べています。
アルコールを大量に摂取することが、被曝状態に等しいリスクがあるなんてコワ過ぎますよね!
■アルコールの酸化ストレスは“被曝状態”
実験では、マウスにアルコールを投与した実験での血液中の“酸化物質量”が投与後1~2日間では上昇せず、3日目(72時間後)に急に高値となり1週間程度かけて低下する動きが見られたそう。
これは、血液中のアルコールやアセトアルデヒドが24時間以内に血液から消失した後に起こってくる現象で、臨床的に急性アルコール中毒の患者が、アルコールやアセトアルデヒドが消失しても臓器障害(主に肝臓)を起こして死亡することがあるメカニズムの原因を示唆しているのだとか。
この酸化ストレスの動きが大量の放射線を照射した実験とまったく同じ動きで、致死量に近い放射線照射と同レベルの高値であったそうなのです!
つまり、アルコールを大量に摂取することは、被曝同様の命の危険を伴うかもしれないという恐ろしい現実が改めて実証されたんです。
■適量は純アルコールで1日20g程度
とはいえ「酒は百薬の長」という言葉にもあるように、お酒は適量であれば緊張を解いたり気分を高揚させたりと良い効果もあるよう。
厚生労働省の『e-ヘルスネット』によると、適度な飲酒量とは1日平均純アルコールで20g程度だといいます。これは、ビールなら中ビン1本、日本酒なら1合、チュウハイ(7%)なら350mL缶1本程度を指すそうです。
大量摂取による健康被害を避けるためにも、摂取量には十分に気をつけたほうがよさそうですよね。
いかがですか?
健康のために禁煙していたとしても、飲酒によって被曝と同じ状態を招いていたとしたらコワいですよね!
心当たりのあった方は、今日からさっそく飲み過ぎを避けて“適量”にとどめたほうが賢明といえそうです。
(ライター 並木まき)