自民、公明両党は11日、2017年4月の消費税率10%への引き上げと同時に導入する軽減税率の対象品目について大筋合意した。生鮮食品と加工食品を含めた、「酒類を除く飲食料品」を対象とすることで一致。両党は12日夕、外食を含めるかどうか最終調整し、正式合意を目指す。
生鮮食品に加工食品が加わることで必要となる財源は1兆円規模。外食まで含めると財源は1兆3000億円まで膨らむ見通しだ。16年度税制改正をめぐる最大の懸案が決着すれば、軽減税率導入も盛り込んだ与党税制改正大綱を決定する。
11日午後、自民党の谷垣禎一幹事長、宮沢洋一税制調査会長と、公明党の井上義久幹事長、斉藤鉄夫税調会長らが2度にわたって会談。井上氏は会談後、「加工食品まで含めるところまでは基本的に合意したが、細部の詰めがあるので引き続き協議する」と述べた。
両党は昨年12月の衆院選公約に、17年度の軽減税率導入を目指すと記述。選挙後から対象品目や財源などについて、本格的な協議を重ねてきた。
これまでの協議で、自民党は軽減税率導入時の対象品目を生鮮食品に限定し、減収規模を社会保障関係で低所得者対策の一部を取りやめることで浮く約4000億円の範囲内に収めるよう主張。公明党は、弁当や総菜といった加工食品を含む幅広い品目を対象にすべきだとしていた。
同日の協議では、加工食品まで対象を広げた場合、出前や持ち帰り用の食品との切り分けが困難なため、自民党側が外食も対象に含めるよう要求。高級料理店の扱いなどで調整が付かず、継続協議になったとみられる。公明党側の出席者の一人は「外食を入れるかどうかは、技術的な詰めがある。自公が対立しているわけではない」と語った。
一方、軽減税率導入に伴う財源確保策としては、1本当たり3円のたばこ増税や税収の上振れ分などを検討している。