日産、経営の独立性担保=仏政府との対立、ひとまず決着 | ニコニコニュース

 日産自動車の提携先、フランス自動車大手ルノーの経営に筆頭株主の仏政府が関与を強めようとして対立していた問題は11日、仏政府がルノーを通じて日産の経営に干渉しないことを認め、ひとまず決着した。

 「3者で良い合意ができた。将来における日産の独立性が担保された」。パリで開かれたルノーの取締役会を終え、12日未明テレビ会見に臨んだ日産の西川広人副会長は安堵(あんど)の表情を見せた。日産は、不当な干渉を受けた場合、現在15%を持つルノー株を25%以上へ買い増す権利を得た。25%以上持てば、日本の会社法に基づき、日産に43.4%出資するルノーの議決権をなくすことができる。西川副会長は「この権利は抑止力になる」と強調した。

 仏政府は、株式を2年以上持つ株主の議決権を2倍にする法律を2014年に制定。仏国内の雇用確保が狙いとみられ、来春には仏政府のルノーへの議決権が28%へ高まる。日産は、仏政府の影響力がルノーを通じて日産にも及び、経営の独立性が脅かされることを懸念していた。

 今回の合意では、仏政府が2倍の議決権を行使できる対象を、フランスに大きく影響するルノーの戦略的決定事項と特別な案件に限定することも確認された。

 日産は経営難に陥った1999年にルノーへ出資を仰ぐ形で提携。日産の業績は回復し、ルノー・日産の販売台数は14年で世界4位。販売台数の6割は日産が占めるが、日産が持つルノー株には議決権がない。資本関係は現状を維持することになる。