【ロンドン時事】フランス政府が自動車大手ルノーの経営への関与を強めようとしていた問題で、ルノー、日産自動車と仏政府は11日、日産の事業の自立性保持を確認した。仏政府は日産の経営に介入しないことを約束。これが守られず日産が不当な干渉を受けた場合、日産はルノー株を買い増して出資比率を引き上げる権利を確保した。
仏政府は、株式を長期保有した株主の議決権を2倍にする「フロランジュ法」を制定した。来年4月から施行されれば、ルノーの筆頭株主である仏政府の議決権は28%に高まる。
ルノーは現在、日産株の約43%を保有。日産はルノー株の15%を持つ。仏政府のルノーの議決権が高まれば、国内雇用維持を理由に日産の経営に介入する恐れもあり、ルノー・日産連合は警戒感を強めていた。
仏政府の影響力を抑制する一つの方策が、日産によるルノー株の買い増しだ。日産がルノーへの出資比率を25%以上に上げれば、日本の会社法により、ルノーの日産への議決権がなくなる。