華のキャンパスライフが待ち受ける4月、北原伊織が降り立った舞台は伊豆。海の近くの大学に通うために、おじさんのダイビングショップに足を運びます。そこで出会ったのはダイビングを終えたセクシーで可憐なウェットスーツ姿のお姉さん…。綺麗な海を背景に「どんな青春物語が始まるのか?」と思いきや、いざダイビングショップの扉を開けると、そこには「これでもか!」というほどムサすぎる男たちの宴が。
彼ら同士のアツい野球拳(それ意味あるの?)の雄叫びに潮騒も掻き消されています。彼らは伊豆大学の学生たち。機械工学科に入る伊織をダイビングサークルへ勧誘します。男子校を卒業したばかりで、もう男子校ノリに飽き飽きしていた伊織は彼らを断固拒否。しかし次第に彼らのペースに巻き込まれて行きます。
爽やか青春物語かと思えば、バカのオンパレードもある。その二面性がこの作品の特徴です。セクシーなお姉さんが出てきたと思えば酒臭い男どもが…。ムサい集団に迷惑顔の伊織ですが、とにかく全裸で騒ぎたがったり、色んな種類のアダルトものを与えようとしてくるメンバーたちの中で、やっぱりなぜかいきいきしています。男子校ノリってこんなんだよなあ、と共感する読者も多いのでは。そんな彼らも部活になると真面目な一面も見せます。男たちのメリハリってそういうものなのか…と理解できるようなできないような…。
海沿いの街で、バカなノリと、真剣な部活と、可愛い女の子たちとの狭間で波に揺れるキャンパスライフにちょっと憧れてしまいました。
文=女生徒