福岡市の高島宗一郎市長は、12月8日に開かれた定例会見で、同市で嵐とEXILEのライブが行われている日(12月17~19日、26~27日)に、一般の家やマンションの一室などを宿泊施設として提供する「民泊」を認めると明らかにした。
一般的に宿泊施設は旅館業法で自治体の認可が必要となり、さらに消防法や建築基準法の規制も受ける。しかし、厚生労働省はイベントなどの開催によって宿泊施設が不足する際、自治体の要請によって一時的な民泊を認める見解を示している。今回の福岡市の試みはこれに当てはまる。
具体的には、嵐のコンサートツアー「ARASHI LIVE TOUR 2015 Japonism」の福岡ヤフオク!ドーム公演が行われる12月17~19日と、EXILEのコンサートツアー「EXILE LIVE TOUR 2015 “AMAZING WORLD”」の福岡ヤフオク!ドーム公演が行われる12月26、27日付近で「民泊」場所の提供者を、市のサイトで募集。条件を満たし、民泊として認定された場合、宿泊場所の提供者は民泊仲介サイトを使って利用者を募ることとなる。
“ライブのチケットはあるけど宿泊先を確保できていない”といった嵐やEXILEのファンにしてみればありがたい今回の試み。ツイッターでは、
「福岡市対応早いな。ファンも喜ぶし地域も潤うしいいことづくめ」
などと、好意的な意見が寄せられている。しかし、
「問題が起きる気しかしないのは僕だけじゃないですよね」
と、何かしらのトラブルが発生するのではないかとの指摘が多数投稿されており、民泊に慎重な姿勢を見せるネットユーザーも多かった。
外国人観光客の増加によって民泊への需要が増えているのは事実。しかし、安全性の確保という点では、まだまだ多くの人が不安を抱えている。徐々に民泊に対する規制緩和が進んでいる状況だが、それと同時にトラブル回避のための方策を練ることも必要だろう。
※当記事は2015年12月10日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。