今年秋の叙勲で旭日小綬章を受章した俳優の北大路欣也が、1月期のフジテレビ系ドラマ『フラジャイル』(1月13日スタート、毎週水曜 後10:00)にクランクイン。時代劇から現代劇、ヤクザから銀行頭取、果ては総理大臣まで、さまざまな役にふんしてきた北大路が、受章後初の連続ドラマで演じるのは、どこからどう見てもマフィアにしか見えない、史上最恐の医者だ。
同ドラマは、『アフタヌーン』(講談社)で連載中の同名漫画が原作。主演はTOKIOの長瀬智也で、「強烈な変人だが、極めて優秀」と周囲が表する偏屈な天才病理医・岸京一郎を主人公に、“正しい診断”によって患者の命を救ういままでにない新しい医療エンターテイメントに挑む。
病理医とは手術はせず、組織や細胞を分析して患者の診断を下す医者のこと。岸は常にスーツ姿で医者然とせず、口が非常に悪いためたびたび、他の医者たちと対立することも。誤解されることもあるが、何より優先するべきは患者の命という信念を持った岸の活躍を描いていく。
北大路は、岸の元指導医かつ教授の病理医・中熊薫を演じる。ヒロインの武井咲が演じる新米病理医・宮崎智尋(みやざき・ちひろ)をデートに誘う茶目っ気を見せながら、岸の前でも気兼ねなく傍若無人に振る舞い、荒い口調ですごむことも。多方面に影響力を持ち、岸が務める病院の人事権にも口を挟める。岸とは確固たる信頼関係で結ばれており、岸が相談をする唯一の人物でもある。
北大路は今作で病理医を演じるにあたり、実際の病理医に会いに行くなど、熱心に役作り。ドラマの中で描かれる丁々発止の口論は、現実でも普通にあることを知り、ますますやる気に火がついた。原作の中熊はスキンヘッドで「ドスのきいた顔」と表現されているが、北大路は台本から“ゴッドファーザー”のイメージが浮かび、自前で衣装をそろえて監督にプレゼンしたという。その熱意に触発された監督はサングラスもかけることを提案。結果、ドラマの中熊は「ドスのきいた顔」どころか、“マフィア”のような見た目で作品に厚みを持たせていく。