寒くなってくると、鍋やスープ、煮物などが恋しくなる。そしてそんな料理に欠かせないのが、冬の食材「大根」。冬の大根はみずみずしく、甘みもあってとても美味しい。せっかく美味しい冬の大根を、今のうちにたくさん味わいたい。
そんな時に非常に役立ちそうなのが、『おトク素材でCooking♪ vol.8 大根さすがの底力。』(オレンジページ)。中を見てみると、すぐにでも大根を買いに行きたくなる、作ってみたくなるレシピのオンパレード。しかも本書、なんと税込みで400円しない。「これはぜひ実際に試してみたい……!」ということで、いつものごとく早速作ってみた。
■こっくりした味が魅力的な、「大根と豚肉の甘辛煮」(P.8~P.9)
炒めた豚バラ肉と大根、ゆで卵を、砂糖、醤油、酒、みりんで照りが出るまで煮込んだこの料理。甘辛く煮込まれた、豚肉のうまみをたっぷりと吸った大根と卵、ジューシーな豚バラ肉は、ごはんのおかずやおつまみにぴったり! ちなみに、煮汁が減ってきたら強火で一気に仕上げると、照りが出やすい。
■寒い日に食べたい! 「大根と鶏肉のみそグラタン」(P.18)
炒めた鶏むね肉と大根に酒と水を加えて煮込み、汁気がなくなったら牛乳を加える。再び煮立ったら、バターと小麦粉を混ぜたもの、味噌を入れて混ぜ、とろみがついたら耐熱容器に移してチーズを散らしてオーブントースターへ。ホワイトソースを別で作る手間なく、濃厚で美味しいグラタンが簡単に作れる。耐熱容器にグラタンがこびりつかないよう、オリーブオイルやバターなど、油分のあるものを容器に塗っておくと、食べる時も洗う時もラクチン。
■冬といえば、鍋! 「大根の鶏だんご鍋」(P.40~P.41)
鍋に大根、だし汁、酒、醤油、みりんを入れ、煮立ったら鶏だんごを加える。火が通ったら、せり、ねぎを入れてしんなりすれば完成! 鶏だんごは、鶏ひき肉、ねぎ、しょうが、片栗粉、酒、味噌、コショウを混ぜ合わせたもの。鶏だんごに入れた味噌と生姜が出汁に程よく溶け出し、体の芯から温まる一品に。余った出汁にうどんを入れても美味しかった。
■おもてなしにも使える! 【オリジナル】大根のひき肉詰め餡かけ
せっかくなので、筆者も一品考えてみた。本書の32ページにある「大根のえびあんかけ」のアレンジ。厚めの輪切りにした大根の真ん中をくりぬき、鶏だんご鍋と同じ要領で作ったひき肉(筆者は余りを使用)を詰め込み、ラップをして電子レンジで加熱。だいたい火が通ったら、桜えび、せり、だし汁、酒、砂糖、醤油を沸騰させた鍋に入れ、蓋をして3分ほど煮る。あとは片栗粉を加え、大根に絡めながらとろみがつくまで加熱し、器に盛れば完成。鶏ひき肉のうまみを吸った大根に、桜えび入り餡のうまみがプラスされて上品な味わいに。我ながら大成功と言える味に仕上がった。
『おトク素材でCooking♪ vol.8 大根さすがの底力。』には、他にも麻婆大根や大根餃子、大根餅など、安くて簡単な、それでいて食べる人を幸せにしてくれる美味しいレシピがたくさん掲載されている。大根は一年中売られている野菜だが、特に美味しいこの季節にこそ、ぜひとも本書で様々な大根レシピを試し、レパートリーを増やしてみてほしい。
文=月乃雫