【カイロ時事】サウジアラビアで12日、自治評議会(地方議会)選挙の投票が行われた。女性は自動車の運転が認められないなどイスラム世界で最も保守的なサウジだが、今回の選挙では女性に選挙権と被選挙権が認められ、女性が「初めての一票」を投じた。選管は、投票結果を13日午後に発表する見通し。
自治評議会は地方政府の助言機関で、権限は限られている。報道によれば、18歳以上の登録済み有権者数は150万人近くで、このうち女性は約12万人にとどまった。候補者は男性6000人近くに対し、女性も900人以上だった。
首都リヤドの学校に設けられた投票所で投票を終えたアワテフ・マルズークさんは、AFP通信の取材に「涙が出た。今まで(選挙は)他国で行われているのをテレビで見るだけだったから」と感無量の様子。自身は男性候補者に投票したというが、「女性が選ばれてほしい」と話した。
サウジは公共の場で男女の分離が義務付けられ、投票も男女別々に行われた。女性の候補者は有権者の大半を占める男性と直接会うことができないなど、選挙運動にも制約が課された。女性の政治参加がどれほど進むかが注目されるが、当選者はほとんどいないと予想されている。