アニメ作品の中には、「主人公が死ぬ」というラストを迎える作品が数多くあります。例えば有名なものでは『鉄腕アトム』や『フランダースの犬』あたりが挙げられますね。前者は地球を救うために太陽に突入し、後者はルーベンスの絵を見た後に力尽きます。今回は、こうしたラストで主人公が死んでしまうアニメ作品をピックアップしてみました。
●『カウボーイビバップ』
1998年から1999年にかけて放送されたSFアクションアニメ。ハリウッドでの実写映画化も予定されるなど、非常に高い評価を受けた作品です。ラストでは主人公のスパイクが宿敵・ビシャスと激しい戦いを繰り広げます。最後は相討ちになり、両者とも倒れて力尽きます。スパイクが死んでしまったかどうかあやふやなエンディングですが、その後、「星が流れる」というスパイクが死んでしまったことを示唆するような描写があります。このことから「スパイクは死んだ」と考えている人が多いようです。
●『コードギアス 反逆のルルーシュ』
超大国「神聖ブリタニア帝国」に立ち向かう主人公・ルルーシュの活躍を描いた作品。2006年から2007年にかけて第1期、そして2008年には第2期が放送されました。本作の最終回では、ルルーシュは世界を掌握し、独裁者として振る舞った後に暗殺されます。これはルルーシュ自身の立てた計画。あえて憎まれたまま死ぬことで、世界の調和が保たれ、愛する妹が平和に暮らせる世界が得られると考えたのです。ただ、「もしかしたら生きているかも」という説もあるそうです。
●『ドラゴンボールGT』
『ドラゴンボールZ』の続編として放送された本作。悟空が孫娘のパンや青年になったトランクスと宇宙を冒険するというストーリーでした。この作品のラストでは悟空が一星龍の攻撃を受け、倒れてしまいます。しかしその攻撃で死んだと思われていた悟空が突如復活し、一星龍を倒します。その後、悟空は神龍に乗って消えていきます……。「一度死んだ悟空がドラゴンボールの力で超常的な存在になった」という解釈もあったりしますが、いずれにせよ悟空はこの世の存在ではなくなる……ということでした。
●『ジョジョの奇妙な冒険 第1部 ファントムブラッド』
『ジョジョの奇妙な冒険 第1部 ファントムブラッド』は、人気の『ジョジョ』の最初のシリーズ作。波紋と呼ばれる力を身に付けた主人公のジョナサン・ジョースターが、吸血鬼となったディオと激しい戦いを繰り広げます。ラストではジョナサンがディオの首を抱えたまま力尽き、ディオを封印。しかしジョースター家とディオとの因縁の戦いは終わりではありませんでした。この最終回があるからこそ、第3部の盛り上がりがあるといえます。
●『伝説巨神イデオン』
伝説のロボットアニメと評されている『伝説巨神イデオン』。異星人文明の遺跡を持つ人類と、その遺跡に秘められた伝説の無限エネルギー「イデ」を求める異星人のバッフ・クランとの戦いを描いた作品です。テレビシリーズ最終話では、最後の和解のチャンスを迎えますが残念ながら決裂。バッフ・クラン側が攻撃に出ようとしたところで、無限エネルギー「イデ」の力が発動し、主人公を含む両勢力の全ての登場人物が滅亡して終了します。
●『聖戦士ダンバイン』
1983年から1984年に放送されたロボットアニメ。地上と海との境目にある異世界バイストン・ウェルに導かれた日本人のショウ・ザマが、オーラ・バトラーというロボットに乗り込み戦う、という作品です。最終回では地上を舞台にバイストン・ウェルの複数の勢力がぶつかります。ショウ・ザマも宿敵のバーン・バニングスと激闘を繰り広げ、そして最後は相討ちになります。絶命する描写はありませんが、恐らくは……というシーンでした。
「もしかしたら生きているかも?」と期待させる作品や、主人公だけでなく敵味方全滅というすさまじい作品など、主人公が最後に散ってしまうアニメを紹介しました。意外と主人公がラストで散ってしまう作品は少なかったりしますね。ちなみに、途中で主人公が死んでしまう作品では、1982年から1983年に放送の『魔法少女ミンキーモモ』が挙げられます。事故で死んでしまう、というこれまたすごい作品でした。
(中田ボンベ@dcp)