【モスクワ時事】エーゲ海の公海上で13日、ロシア黒海艦隊の警備艦「スメトリブイ」が、接近してきたトルコの漁船に警告射撃した。人的被害の情報はないが、ロシア国防省は「トルコによる挑発行為」と非難した。

 11月24日のトルコによるロシア軍機撃墜事件後、両国間で緊張が続いている。警備艦は過激派組織「イスラム国」(IS)掃討名目のシリア軍事作戦のため、地中海に向かう途中だった。アントノフ国防次官は、在ロシア・トルコ大使館の駐在武官を呼んで懸念を伝えた。

 ロシア国防省などによると、警備艦はギリシャ・リムノス島沖を航行中、右舷方向約1000メートルにトルコ船が接近しているのを察知。無線で警告を試みたが、応答はなかった。約600メートルにまで近づいたところで警告射撃すると、トルコ船は針路を大きく変えたという。