【パリ時事】フランスのメディアによると、パリ北部郊外オーベルビリエで14日朝、幼稚園に覆面をした男が侵入し、カッターナイフで男性教諭を切り付けた後、逃走した。教諭は喉を負傷したが、命に別条はない。男は過激派組織「イスラム国」(IS)による警告だと叫んだため、当局は過激派によるテロの疑いもあるとみて身柄確保に全力を挙げている。

 男は武器を持たずに教室に入り、その場にあったカッターナイフとはさみをつかんで「これはISによる警告だ」と叫びながら犯行に及んだ。当時は始業前で、教諭は授業の準備中だった。園児はまだ登園していなかったとみられる。当局はテロ対策の専門チームを捜査に参加させた。

 フランスは、宗教的な服装に対する制限を設けるなど世俗的な政策を推進、学校でも政教分離に関する教育が徹底されている。ISは最近の機関紙でフランスの教育を「神の敵だ」と批判し、仏教諭を殺害するよう構成員に呼び掛けている。