シャープが販売している「誕生日登録機能」つきの炊飯器がツイッターで話題になっています。「これは必要か?」という問題提起をきっかけに、「孤独な人でも祝ってもらえる」「その優しさが人を傷つける」「将来の個人情報収集につながるのでは」と、さまざまな意見が上がっています。なぜこの機能をつけたのか? シャープに聞きました。
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フタを開けると……
話題になっているのは「ヘルシオ炊飯器」。音声とメロディーで操作を手伝ったり、使い方をアドバイスしたりする「ココロエンジン」が搭載されています。
例えば、点滅する「聞いて」ボタンを押すと「しいたけがおいしい季節ですね 次はきのこの佃煮を作ってみませんか?」、フタを開けると「いつもきれいに使ってくれてありがとうございます」といった具合に音声が流れます。
そんな炊飯器に実装されている誕生日登録機能。取り扱い説明書には「ご自分やご家族などの誕生日を登録しておくと、誕生日当日にお祝いの言葉を話します」とあります。実際には、フタを開けた時にメロディーが流れ、「お誕生日おめでとうございます」と音声が流れるそうです。
ツイッターで話題に
この機能について、ツイッターユーザーが「この機能は必要か?」と問題提起すると、様々な声が投稿されました。
「孤独な人でも祝ってもらえる」
なかにはIoT(Internet of Things=あらゆる製品やサービスがインターネットにつながる「モノのインターネット」)時代を想定して、「将来の個人情報収集につながるのでは」と心配する声も上がっています。
シャープに聞きました
それでは、何のためにこの機能をつけたのか? シャープの広報担当者に話を聞きました。
――なぜ炊飯器に誕生日を登録するのでしょうか
「シャープでは、洗濯機や空気清浄機などの家電製品の上位機種に『ココロエンジン』を搭載しています。単なる道具ではなく、使う人を和ませて頼られる存在になりたいとの思いからです。そのために誕生日を登録していただくことで、お祝いの言葉を述べる機能をつけました。ヘルシオ炊飯器もその一つであり、炊飯器だけというわけではないんです」
――「将来の個人情報収集につながるのでは」といった声も出ていますが
「あくまで家電に親しみをもっていただくためで、そういった目的はありません。そもそもヘルシオ炊飯器はネットにつながっていません」
――今後の展開については
「すでにシャープでは、業界初の音声対話を実現した冷蔵庫などを発売しています。インターネットにつながり、音声認識機能を搭載することで、冷蔵庫と対話しながら庫内の食品管理ができます。保存する食品を声で登録しておけば、使用期限が近づくと冷蔵庫が知らせてくれ、その食品を使ったメニューも提案してくれます。これまで以上に、家族の一員のように頼られる存在になっていければと思います」