料理作りで失敗をふせぐには、調味料の計量を正しく行なうことが大切です。とても基本的なことなのですが、そのじつ、あらためて聞かれると、正しい計測の方法を知らずにいる人も多いもの。
たとえば、レシピ本に「しょう油――大さじ1/2」と書かれていた場合、どのように計測していますか?
あるいは、「塩少々」と書かれていたら、どのくらいの量を入れていましたか?
どちらも確信をもって答えられなかった人は、この機会に正しい調味料の扱い方を確認しておきましょう。
●計量スプーンの正しい使い方
目盛りのついたスプーンもありますが、それ以外で液体の大さじ1/2といえば、スプーンの底から2/3程の高さの量になります。
また、大さじ1は、表面が平らの状態ではなく、表面張力ですこし盛り上がる程度の量をいいます。
なお、大さじ1は15CC、小さじ1は5CCになります。
●計量カップの正しい使い方
平らな場所に置いて、目盛りを横から水平に見て確認します。通常、1カップとは200CCのことをいいますが、お米は1合(180CC)のカップで計測します。混同しないようにしましょう。
また、国によっても1カップの量には違いがあります。たとえばアメリカでは1カップ=240CCになります。
●「ひとつまみ」と「少々」の計り方
「ひとつまみ」と書かれていたら、親指、人差し指、中指でつまんだ量になります。「少々」は、親指と人差し指でつまんだ量です。
●調味料の「さしすせそ」とは?
各調味料の一文字をとって並べた「さしすせそ」は、和食の味付けの基本で、「さしすせそ」の順序どおりに味付けをしていくとよいといわれています。
なお、各調味料の名前は、「さ」が砂糖、「し」が塩、「す」が酢、「せ」が醤油(せうゆ)、「そ」が味噌です。
最初に砂糖を入れることで食材に味が染み込みやすくなります。塩はその後で加えます。酢、醤油、味噌は加熱で香りや風味が飛びやすいので、火を止める直前に入れます。味噌の場合は、火を止めてから入れることもあります。
●塩分控えめなのは精製塩より粗塩
同じ小さじ1の塩でも、精製塩は6gで粗塩は5gと、重さに違いがあります。これは粒子の大きさに違いがあるためです。
しかし、違いはこればかりではありません。一般的に粗塩は精製塩よりミネラル分が多く塩分少なめで、旨味があると言われています。
精製塩とは、電気分解(精製)によって塩化ナトリウム含有率を99パーセント以上にした塩のことで、食塩や食卓塩として知られています。粗塩は粒のあらい精製していない塩のことです。
何事も基本が大切です。計測も味付けも曖昧に済ませていたという人は、まずは基本をしっかり身に着け、さらに料理の腕前をあげていってくださいね!
文・鈴木ゆかり
※参考
「ひと目でわかる料理手習い帖」(牧野直子 著/池田書店)