“完全アウェー”での試合を振り返る佐藤「文化の違い、本場を感じた」 | ニコニコニュース

リーベル・プレート戦に76分から出場した佐藤寿人 [写真]=兼子愼一郎
サッカーキング

 サンフレッチェ広島は16日、FIFAクラブワールドカップ2015準決勝でリーベル・プレート(アルゼンチン)と対戦し、0-1で敗れた。76分から出場したFW佐藤寿人が試合後の取材に応じている。

 前半をベンチから見守った佐藤が、「チャンスだけ見たらこっちのほうが多かったかな。立ち上がりは全然ボールがつなげなくて、パスを2本、3本とつなげない状況だった。それを我慢して15分たったくらいから広島らしさも出せたんじゃないかな」と話したように、広島は序盤こそ押し込まれたものの、カウンターから数多くのチャンスを作り出していた。しかし決定機を逃すと後半にFKの流れから失点。「本当にチャンスを決めることができずに相手がセットプレーで得点を奪ったというゲームではありましたね」と振り返った。

 この日の長居スタジアムにはアルゼンチンからリーベル・プレートのサポーターが数多く駆けつけ、ホームのような雰囲気を演出した。佐藤は、「もう完全にアウェーでしたね。ピッチに入った瞬間にそういう光景だったので。リーベルのファンの人たちは海をわたってきているんで、日本なのにアウェーになるってことは文化が違うという言葉で片付けたらいけないですけど。アルゼンチン国民の半分がリーベルのファンという話もありますし」と、日本とはサッカーの文化に大きな差があるとの見解を示した。

「もちろん日本の中でサンフレッチェは地方クラブでもありますし、平日のナイトゲームで大阪まで来てもらうのは難しい部分もあると思う中で、沢山の人がきてくれたと思いますけど、それを上回るJでは感じられない応援でした。人数とかじゃなくて、応援の仕方、圧力のかけ方だったりは本場を感じたというか。本当に素晴らしい相手とこういう舞台で戦えて、いいゲームをしただけに勝つチャンスもあっただけに、決勝に進めないのは残念ですね」

 このレベルで戦って感じた課題については、「やっぱりフィジカルコンタクトは非常に高いですし、そこを真に受けてプレーしようと思ったら精度は落ちる。動きやパスのスピード、コースだったりで、フィジカルコンタクトを受けないということは十分にできると思うので、もちろん球際で負けないということはありますけど」と述べている。

 そして、「これを勝てば決勝という試合だったし、どっちが勝ってもおかしくない試合だったと思う。今日の内容だったらどちらが決勝に行ってもふさわしいと思うんで、それが自分たちじゃなかったというのが残念だし、決勝に行くという目標が非常に大きかっただけに、この敗戦は非常に悔しいですね。良かったとか、勝つチャンスがあったとかじゃ意味がないんで。結局は勝ったか負けたか。セットプレーでやられたという見方もありますけど、勝者側に回れなかったというところでは、それだけじゃないなと。リーベルの力を感じるところはあったので、そこはやっぱり考えていかなければいけないし。来季はACLもあってリーグ戦とは違った戦いの場になっていく中で、今日のような経験は生きていくと思うし、生かしていかなければならないと思うんで」と決勝進出が叶わなかったことに悔しさを滲ませつつ、来季の戦いに繋げていきたいとコメント。そして3位決定戦に向けて意気込みを語った。

「今日は負けてしまいましたけど、間違いなくこの大会を通じて上積みできていることのほうが多いと思う。もう一試合あるので、最後に勝って終わるのと負けて終わるのでは全然違うので、最後はしっかり勝って3位で終えたいなと思いますね」。