西海岸が生んだヒップホップグループ「N.W.A.」の伝記映画「ストレイト・アウタ・コンプトン」が12月17日、東京・スペースFS汐留でジャパンプレミア上映され、ヒップホップユニット「DOBERMAN INFINITY」が出席した。
映画は、"世界で最も危険なヒップホップグループ"と呼ばれた「N.W.A.」の、1986年の結成から解散までの道のりやその後の姿を映し出す。西海岸の音楽に多大な影響を受けたというメンバーは、「N.W.A.のことをリアルに描いていて興奮した。ヒップホップと出合った、95年当時に知りたかったことが描かれていた」(P-CHO)、「ヒップホップをやっていくうえで刺激になった」(GS)、「メンバーの性格やメンバー同士の関係性が見れて楽しかった」(KAZUKI)と無邪気に語る。
「N.W.A.」は、理不尽な社会や警察へのメッセージを暴力的なリリック(歌詞)で表現することで権力者たちに立ち向かい、警察のみならず、FBIにまで目をつけられる業界の問題児だった。「メンバーのカリスマ性を感じた」と語るSWAYは、「同じヒップホップなのに、国や地域、人種によって作る音楽は違う。過酷な環境でやっていたN.W.A.のすごさを痛感した」と熱弁。そのうえで、「(自分は)日本という幸せな国で音楽がやれている」と感慨深げに語った。
本作は、「N.W.A.」のメンバーだったドクター・ドレー、アイス・キューブ、他界したイージー・Eの未亡人トミカ・ライトが製作陣に名を連ね、アイス・キューブ役を実の息子であるオシェア・ジャクソン・Jr.が演じているが、メンバーは、キャストとスタッフの熱意を随所に感じたという。P-CHOが、「本当に当時のN.W.A.を見ているみたい。特にアイス・キューブはそのまんま!」と語ると、他のメンバーも一様に同調していた。
「ストレイト・アウタ・コンプトン」は、12月19日から東京・渋谷シネクイントほか全国で公開。