怒ってかけてきた人の電話を突然受けても的確な対応は難しい。相手の言い分を誠実に聞いたうえで「担当者に伝え、お電話を差し上げます」と言って切る。すぐに対応策を練り、一定の回答を用意したうえで担当者が電話をかけるという流れに持っていきたい。対応は迅速に。
「相手は声からその主の気持ちを読み取ります。トーンに気を配るより誠実な対応を心がけること。それが謝罪に適した声のトーンになるはずです」(マナーコンサルタント 西出ひろ子氏)
「謝罪を個人レベルで済ませようとする人は少なくありません。クレームやトラブルは担当者の汚点という意識があり保身に走る結果です。これは謝罪するうえで最もしてはいけないこと。個人のミスで起きたトラブルでも会社として対応することが重要です。上司に報・連・相し、部内でその情報を共有する。会社の代表として対応する意識を持ってください」(ビジネスマナー講師 古谷治子氏)
よくない言いまわしの代表例が否定語。たとえば「営業に確認しないとはっきりしたことは言えません」。これは「曖昧な回答を申し上げてご迷惑をおかけするといけませんので、営業に確認して折り返しご連絡を差し上げます」にする。「同じ意味でも感じ方は大きく変わるのです」(古谷氏)。
電話対応のコツは相手の心理を読み、ステップを踏んで話を進めることだ。最初は聞くことに徹する。相手は怒りたい、文句を言いたくて仕方がないのだ。誠実に聞くことで相手のガス抜きができる。冷静な話ができるようになったところで、解決策、問題の落としどころを探るようにする。
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◆まず相手の怒りを鎮める → 謝罪・話をひたすら聞く----------
事態が解決に至らないときはシチュエーションを変えることで打開できるケースも少なくない。まず電話対応者(人)を代える。若い担当者から上司に代われば、会社の対応の本気度が感じられる。次に時間を変える。
「上の者に確認して1時間以内にご連絡差し上げます」とすれば相手の気分も変わる可能性がある。そして場所を変えてみる。「電話ではご納得いただけないようなので、御社にうかがいます」。
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◆人を代える=満足感を与える (例)一般職→管理職、女性→男性----------
電話対応は必ずメモを取りながら行いたい。論点が整理でき対応策を取るうえでも役立つ。相手が脅迫的な言葉を使うようであれば、録音しておくことも大切だ。
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ビジネスマナー講師----------