年賀状の作成に追われつつある今日この頃。今年は、いつも通りの書き方ではなく、“人の心を動かす”ものを書いてみたい…。そんな手紙の書き方を、『夢をかなえるゾウ』などで知られるベストセラー作家、水野敬也が紹介した『たった一通の手紙が、人生を変える』が、2015年11月30日(月)に発売された。
水野の実体験にもとづいて構成されている同書。水野は初著作『ウケる技術』を書いた当時は、無職で何も実績として誇れるものはない状態だった。そのような状態にもかかわらず、初めて出す書籍の帯を、会ったこともないのに大物有名人に書いてもらおうと考え、水野がとった行動こそが、手紙。水野はこれまでも、重要な局面で手紙を送り、その時にどうすれば受け取った相手の心を動かせるのか、誰よりも考え、その結果、仕事に結びつけることができたという。そんな、水野が教える「夢をかなえる手紙」の書き方を余すところなく教えてくれる1冊が『たった一通の手紙が、人生を変える』である。
SNSやメールの時代だからこそ、直筆の手紙を受け取るということ自体が珍しいため、その分印象に残り、きちんと見てもらえる可能性が高く、手紙のコミュニケーション力が必要とされるはず。同書を読めば、相手が何に喜ぶのかが目に浮かぶようになってくるので、いつもと違った感覚で、楽しみながらメッセージを書くことができるだろう。
手紙の書き方以外にも、ガンジーがヒトラーに送った手紙、夏目漱石が借金依頼を断った粋な手紙、スティーブ・ジョブズの感涙必至のラブレターなど、偉人が書いた手紙も掲載している。文章は、会話と違って、一人で何度でも書き直すことができる。だからこそ誰でも、偉人の書いた手紙のように、人の心に残る素敵な手紙を書くことができるのだ。
「手紙っていいなあ」と思うとともに、「手紙って、思ってたよりすごいツールだ」と感じるはず。同書は、表向きは手紙の技術について書かれているが、文章の技術はもちろんのこと、相手への気遣いやサービスの本質も学べるだろう。
<内容>
■『たった一通の手紙が、人生を変える』
水野敬也(みずの けいや)