日本のある自動車用軸受メーカーの社員は、自社製品について語るときに目がきらきら輝く――。中国メディアの今日頭条は14日、中国が「真の経済強国」になるためには日本企業が持つ「お金ではなく、製品を愛する精神」を身に着ける必要があると論じている。
中国の中小企業の平均寿命は2.5年、大企業は7-8年。また欧米企業の平均寿命は40年、日本企業は58年であると記事は紹介、企業の平均寿命に「はなはだしい開きがある」としている。これほどの差が生まれるのはなぜだろうか。それは中国企業と日本企業が追い求めているものがまったく違うからだ。
記事は、中国人にはある種の「天性」が備わっているとする。それは「お金儲け」の才能だ。どういうことかと言えば、多くの人は本業がちょっと成功するとすぐにビジネスを多元化し、不動産投資や株式投資を始める。できるだけ早く、そして大きく儲けようとするのが中国人の特性であると記事は指摘している。
一方、日本企業の場合は「お金よりも製品そのものの方に大きな関心がある」と記事は分析。冒頭の「日本のある自動車用軸受メーカーの社員は、自社製品について語るときに目がきらきら輝く」という中国人による言葉はその一例だ。この感想を語った中国人が、自動車用軸受メーカーの幹部社員に「ビジネスを多元化しないのか」と質問したところ、その質問に対する答えは「研究しなくてはならないことが多すぎて何世代かかるかわからないのに、他のことをするエネルギーがあると思いますか」というものだったという。
このコメントを聞くと日本人の多くは心に響くものを感じるであろうが、お金儲けを中心に考える人にとっては「遠回りで賢くないやり方」と感じるかもしれない。しかしこのコメントが示しているのはそもそもお金儲けの方法などではなく「生き方」だ。この「生き方」の違いが企業の平均寿命にはっきり表れるというのはうなずけるところだ。そして中国企業が「ブランド」を造り出すのが苦手という事象にはこうした要素が関係しているであろうことも理解できる。
中国は「お金儲けに関する天性の賢さ」によって経済大国に成長したが、真の経済強国になるには「こうした賢さを捨てなくてはならない」と記事は警告している。そのためには根本的に変化し、「生き方」を変えることが求められる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)