エンタメ総合誌エンタミクスは12月19日(土)発売の2016年2月号(700円)で「2015年 コレ読んで漫画ランキング」を発表する。
【写真を見る】「読まないともったいない!」との声も出た「ダンジョン飯」
これは、より多くの人に読んでほしい“2015年の良作”を全国3000店の書店員とエンタミクス編集部が選出したランキングだ。今回、どこよりも早くBEST20作品(誌面ではBEST50)を紹介!
栄えある第1位に選ばれたのは、2015年のランキングでも10位に選ばれた「僕だけがいない街」(著者:三部けい 既刊6巻発売中)だ。2016年にTVアニメと実写映画が控える、今最も勢いのある作品と言えるだろう。
■ 最新巻の第7巻は12月26日(土)発売
主人公はリバイバルというタイムリープ能力を持つ藤沼悟(29歳)。SFミステリーの作品でタイムリープは事件解決における禁じ手的要素だが、本作では自身の意志でコントロールできないため先が読めず、ハラハラドキドキ感が薄れることがない。
エンタミクスの小澤編集長は「ライトな作品が多い中、正面から“読む面白さ”を追求したSFミステリー。完成されたプロット、ミスリードを誘う演出、泣かせる家族ドラマとまさに“コレ読んで”と誰かに薦めたくなる作品です。連載中の物語もクライマックスで、1月からTVアニメ、3月19日(土)から実写映画と今からハマればリアルタイムで全てのラストを迎えられるというクロスメディア展開ならではのおいしさも堪能できるので良いタイミングだと思います」と1位に選ばれたポイントを語ってくれた。
第2位は、グルメ漫画豊作の年にあって「一番面白く、一番美味しそうじゃなかった(笑)」という声が聞かれた「ダンジョン飯」(著者:丸井諒子 既刊2巻発売中)。
■ スライムは熱湯で洗って干物にすれば珍味!?
ダンジョンRPGといえば剣と魔法、モンスターとの激しいバトルなど血湧き肉躍る冒険活劇が王道だが、本作はもっと身近な生活に焦点を当てた異色冒険譚。タイトルどおりダンジョン踏破のため食事は必要不可欠だが、それは自給自足、つまりモンスターを調理して食べるという今までにありそうでなかった作品になっている。
第3位は、28歳年上の男を想う17歳の女子高生の真っ直ぐな恋心を描く「恋は雨上がりのように」(著者:眉月じゅん 既刊3巻発売中)。
■ 心にじわっと染み込んでくる純愛ストーリー
「なくしてしまった甘酸っぱいものを思い出させてくれる」といったコメントからも分かるように、好きな人への瑞々しい感情が丁寧に描かれている点が高評価だった。
BEST3以外からも小澤編集長に気になる作品を幾つかピックアップしてもらった。
まずは第4位に選ばれた「岡崎に捧ぐ」(著者:山本さほ 既刊1巻発売中)だ。
■ 最新巻の第2巻は12月25日(金)発売
「1990年代子供あるあるを詰め込んだ『ちびまる子ちゃん』的コメディ。各々の家庭環境と付き合いながら自分なりの毎日を送る子供たちが繰り出すギャグと友情エピソードが愛らしい作品です」と本作の魅力を教えてくれた。
次に挙げてくれたのが第6位のゴールデンカムイ(著者:野田サトル。既刊5巻発売中)。
「サバイバル、グルメ、バトル、ミステリーと美味しい要素のごった煮感が体を温めてくれる鍋のようでページをめくる指が進みます」と日露戦争後の北海道を舞台に強いアイヌを描く本作をアピール。
そして、第8位の「黒博物館 ゴースト アンド レディ」(著者:藤田和日郎。上下巻発売中)。
「個人的に2015年一番好きだった作品で、『うしおととら』進化版ともいえるようなカタルシスが味わえました。上下巻でさくっと一気読みできるのでぜひ多くの人に読んでいただきたい快作です」とプッシュする。
最後に今回のランキングを振り返っての総括をうかがった。
「ロングセラーのメガヒット作が一段落つくのと同時に、各社編集部が育てるニューカマーが頭角を現してきた年でした。それを象徴するように上位作品はミステリー、ファンタジー、ラブコメ、サバイバル、うんちく系、音楽系など人気ジャンルのNEXTブレイク組が顔を揃えました。デジタルメディア発の作品も増え、シーン全体のトーンがゆっくり変化しているのを感じさせます。作品構成としては王道展開+あるある、うんちく。というパターンが多くみられました。それをどのような角度でパッケージするかによって初動の支持読者層は異なりますが、ほとんどの作品に漫画ファンでなくても楽しめる要素が最初から備わっているので一見さんも安心してハマれます。年末年始に1冊手にとっていただだけると新しい出会いがあるはずです」。
また2016年の動向は「『進撃の巨人』『北斗の拳』などメガヒットタイトルの外伝ワールドの拡大」「女子漫画系は『町田くんの世界』のような癒やし男子=高ステータスよりもちょっとした気遣いが自然にできる優しい男子による癒やしオーラ作品」「雑学系は『だがしかし』のようなSNSで拡散しやすいカジュアルうんちく系」が増えそうだと話してくれた。
ランキングにはまだ知らない作品がきっとあるはず。ぜひ未知の作品に触れてその世界観を楽しんでみてはいかがだろうか。【Walkerplus】
■2015年 コレ読んで漫画ランキング
第1位:僕だけがいない街(著者/三部けい 出版社/KADOKAWA)
第2位:ダンジョン飯(著者/丸井諒子 出版社/KADOKAWA)
第3位:恋は雨上がりのように(著者/眉月じゅん 出版社/小学館)
第4位:岡崎に捧ぐ(著者/山本さほ 出版社/小学館)
第5位:だがしかし(著者/コトヤマ 出版社/小学館)
第6位:ゴールデンカムイ(著者/野田サトル 出版社/集英社)
第7位:この音とまれ!(著者/アミュー 出版社/集英社)
第8位:黒博物館 ゴースト アンド レディ(著者/藤田和日郎 出版社/講談社)
第9位:町田くんの世界(著者/安藤ゆき 出版社/集英社)
第10位:波よ聞いてくれ(著者/沙村広明 出版社/講談社)
第11位:ヲタクに恋は難しい(著者/ふじた 出版社/一迅社)
第12位:ブラッククローバー(著者/田畠裕基 出版社/集英社)
第13位:BLUE GIANT(著者/石塚真一 出版社/小学館)
第14位:ハイキュー!!(著者/古舘春一 出版社/集英社)
第15位:3月のライオン(著者/羽海野チカ 出版社/白泉社)
第16位:トクサツガガガ(著者/丹波庭 出版社/小学館)
第17位:はたらく細胞(著者/清水茜 出版社/講談社)
第18位:かつて神だった獣たちへ(著者/めいびい 出版社/講談社)
第19位:塩田先生と雨井ちゃん(著者/なかとかくみこ 出版社/イースト・プレス)
第20位:賭ケグルイ(原作/河村ほむら/作画/尚村透 出版社/スクウェア・エニックス)