人気PCゲームシリーズ「Dies irae」がアニメ化されることになり12月18日、都内で正式決定発表会が行われた。声優キャストの榊原ゆいをはじめ、アニメ化を提案したゲーム制作会社グリーンウッドの服部道知、シリーズ構成の正田崇、音楽の与猶啓至、プロデューサーの浅賀孝郎ら主要スタッフが出席した。
PCゲーム「Dies irae」シリーズは、架空の都市・諏訪原市を舞台に、ナチス・ドイツによって生み出された魔導兵器「聖遺物」を操る者たちが死闘を繰り広げるバトルアドベンチャーゲーム。シリーズ6作品で、累計10万本以上を売り上げた人気作だ。アニメでは、人の首を切り落とす通り魔事件が発生し、一匹狼気質の主人公・藤井蓮が、事件の犯人である第二次世界大戦終結期のドイツで謎の儀式のために民衆を生贄(いけにえ)にしていた「聖槍十三騎士団」と戦う姿を描く。声優キャストは、蓮役の鳥海浩輔、謎の少女・マリィ役の榊原をはじめ、生天目仁美、前田剛、諏訪部順一、谷山紀章ら多彩な顔ぶれがそろう。
アニメ化は、「Dies iraeアニメ化プロジェクト」が今年5月にクラウドファンディングで資金を募ったところ、支援者5187人から国内最高額となる9651万858円が集まり、実現に至った。浅賀は「ゲーム作品のアニメ化は難しいが、作品自体のクオリティが高く面白そうなので引き受けたが、大変な作品を引き受けてしまったのだと気づいた」と述懐する。そのうえで、「ファンを裏切らないクオリティ。海外までいけるアニメ作品を目指す」と語った。
ゲーム版のシナリオも担当した正田は、アニメ作品に携わるのは初となるが、アニメ用にシナリオを再構成する作業は「怖かった」と明かす。その理由を問われると、「ゲーム版の膨大なシナリオをどう削るかが重要。削りすぎるとファンががっかりするのではという懸念があった」と説明。さらに「原作6作品のうち、どのエピソードを描くのか?」と問われると、「スタッフとの協議次第だが、やりたいエピソードはある」と告白し、「物語の爽快感を優先するか、謎をきちんと解消して終わらせるかを悩んでいる。原作の持つ両極端な側面をどう描いていくかが問題」とシナリオ制作における現在の課題を語った。
一方の服部も、原作の持つ奥深い世界観を表現するには「2クール以上で描く方が向いている」と判断したといい、14話以上のテレビシリーズを予定していると明かした。
テレビアニメ「Dies irae」は、2017年に放映開始予定。放映局などの詳細は公式サイト(http://www.light.gr.jp/light/products/dies_portal/index.html)で随時発表される。さらに、コミカライズ&ノベライズ化も決定しており、原作の前日譚を描く漫画が「電撃マオウ3月号」(KADOKAWA刊)で連載開始。森瀬繚氏が手がける小説は2016年発売予定。