東芝が2016年3月期連結決算で、純損益が5000億円規模の赤字になる見通しとなったことが19日、分かった。テレビや白物家電など不採算事業の構造改革に伴い、多額の費用を計上することが響く。赤字は2年連続。赤字額は、リーマン・ショック時の09年3月期の3988億円を上回り、過去最大となる。

 室町正志社長は21日午後、記者会見し、家電部門の構造改革と同時に業績見通しを発表する。巨額損失を計上して、うみを出し切る考えだ。

 構造改革は、テレビや白物家電の海外工場を売却。国内ではテレビやパソコンの開発拠点がある青梅事業所(東京)を大幅に縮小する。早期退職を含め国内外で数千人規模の人員を削減するため、割増退職金の支払いなどの費用が発生する。収益力の低下で資産評価などを見直すことに伴う損失も生じる見込みだ。

 一方、米原発子会社ウェスチングハウス買収に伴い計上した企業のブランド力などの価値を示す「のれん代」(15年9月末で3441億円)は、価値が損なわれていないとして、損失を計上しない。