新幹線は確かにスゴイ・・・だが、日本独自のイノベーションで誕生したわけではない=中国 | ニコニコニュース

サーチナ

 新幹線は世界で初めて開業した高速鉄道であり、日本が世界に誇る技術の1つだ。中国メディアの騰訊網はこのほど、新幹線は人類社会の発展のために不滅の功績を残したと評価する一方で、「新幹線は日本オリジナルのイノベーションから誕生した製品ではない」と主張する記事を掲載した。

 現代の製品にはさまざまな技術が複数使われており、そうした技術が組み合わされて生み出される。当然、新幹線ほど複雑かつ先進的な製品ともなれば膨大かつ多岐にわたる技術が採用されているはずだ。

 記事は、製品のイノベーションには3種類あると主張。1つ1つの技術を自ら創出して新しい製品を生み出す「オリジナル・イノベーション」、技術を他所から導入し、それを組み合わせて新しい製品を生み出す「インテグレイティッド・イノベーション」、そして製品技術を丸ごと導入し、その後に新しい製品を生み出す「スタディ・イノベーション」の3種類だ。

 新幹線は「インテグレイティッド」と「スタディ」のカテゴリーに入り、決して「オリジナル」ではないと記事は主張し、1964年に新幹線が開業した当時、JR東日本の関係者が「新幹線に使われている1つ1つの技術は欧州のオリジナルであり、日本はそれを改良して用いているに過ぎない」と述べていると紹介した。

 一方で記事が、新幹線は決して「パクリ製品」ではないと「断言」していることは興味深い。新幹線は人類社会の発展のために高速鉄道時代を「創始」したためで、これは新幹線の「不滅の功績」であると称えている。さらに新幹線は敗戦国としての立場ゆえにプライドを失っていた日本に「尊厳」をもたらした点でも大きな功績を残したとしている。

 パクリとスタディ・イノベーションとは似て非なるものだ。パクリ製品が人類社会に貢献することは決してない。記事が紹介している3種類のイノベーション、3つのうちどのイノベーションにもっとも価値があるのだろうか。この記事の観点でいうならば「同等」だ。すべてのイノベーションは何らかの形で先人たちの蓄積のうえに成り立っているからだ。仮に記事の主張どおり、新幹線に日本オリジナルの技術がないとしても、世界の鉄道史に不滅の貢献を果たしたことは間違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Sakarin Sawasdinaka/123RF.COM)