昨日12月22日、パスピエが東京・日本武道館にてワンマンライブ「パスピエ 日本武道館単独公演 "GOKURAKU"」を開催。バンド初の武道館公演で全23曲を演奏した。
この日のステージ背面には、大きな二等辺三角形のモチーフが。その中から、やおたくや(Dr)、露崎義邦(B)、三澤勝洸(G)、成田ハネダ(Key)が順に現れ、最後に大胡田なつき(Vo)が登場するとともに1曲目「電波ジャック」がスタートした。冒頭から「トロイメライ」「贅沢ないいわけ」といった疾走感あふれる楽曲に乗せて、カラフルなレーザーや照明で彩られる武道館。最初のMCでは、成田が「ついにこの日がやってきてしまったっていう感じで……極楽気分にさせてくれてありがとうございます! 極楽っていうのは極めて楽しいと書くので、僕ら自身もめちゃめちゃ楽しみたいと思います」と話し、大胡田も「ここにいるすべての人にとって極めて楽しい特別な日になりますように。最後までどうぞよろしくお願いします」と、公演タイトルの“GOKURAKU”を用いて挨拶した。
レーザー飛び交う「トーキョーシティ・アンダーグラウンド」から少し妖しげなナンバーが続き、ライブはより深いパスピエワールドへ入っていく。8曲目の「名前のない鳥」からは背面スクリーンでのグラフィック演出も駆使。中盤、この日初のバラード「花」を歌い終えた大胡田が一旦はけて演奏陣によるセッションが展開され、これまで培ってきたバンドの実力を発揮するかのように、ダイナミックながら繊細なサウンドで観客を唸らせた。
その後、衣装を替えてネコのお面を持った大胡田が「つくり囃子」で再登場。彼女の横には同じく和風の衣装のダンサー2人がおり、パスピエのライブにバックダンサーが付くという新鮮な一幕もあった。また、大胡田が銅鑼を叩いて「チャイナタウン」を始めると盛り上がりに拍車がかかり、メジャー1stシングル「フィーバー」、メジャーデビュー作「ONOMIMONO」の収録曲「脳内戦争」と続く。大胡田は「武道館ー!!」と声を張り上げ、露崎、三澤、そして小型キーボードを抱えた成田もステージ両脇の花道に出ていって観客を煽っていた。
後半途中のMCでは、成田が「これまでが積み重なってできた武道館だと思います。こっ恥ずかしいけど、このメンバーで立てて本当によかったです」と、はにかみながら吐露してファンの拍手を浴びる。この言葉に続いて大胡田も「あたしいつも歌詞で変なこととか小難しい言葉を使ってて、今これを言うのはアレだけど……胸がいっぱいで言葉が出てこないです。ありがとうございます」と感無量な様子を表し、ラストスパートに向けて場内に温かな一体感が生まれる。
そして、最新アルバム「娑婆ラバ」の1曲目に収められている「手加減の無い未来」から最後のパートへ。「MATATABISTEP」で金テープがアリーナに放たれ、次の「トキノワ」で大きな高揚感に包まれる場内。最後は、「私たちパスピエの大事なこの曲でおしまいにしたいと思います」という大胡田の落ち着いた前置きから「素顔」で本編を締めくくった。
アンコールも晴れ晴れとした表情でステージに立つ5人。バンドを代表して成田は「今日は節目だけど、むしろスタート地点だなとも思っていて。2016年のパスピエ、よろしくお願いします」と、これからの飛躍をファンに誓う。彼らはライブアンセム「S.S」の後、活動初期からライブのラスト定番曲となっている「最終電車」を全力で演奏。満面の笑みで客席に手を振って終演を迎えた。
01. 電波ジャック
02. トロイメライ
03. 贅沢ないいわけ
04. YES/NO
05. 裏の裏
06. トーキョーシティ・アンダーグラウンド
07. 蜘蛛の糸
08. 名前のない鳥
09. 花
10. つくり囃子
11. 術中ハック
12. とおりゃんせ
13. チャイナタウン
14. フィーバー
15. 脳内戦争
16. 手加減の無い未来
17. ワールドエンド
18. シネマ
19. MATATABISTEP
20. トキノワ
21. 素顔
<アンコール>
22. S.S
23. 最終電車