2015年の「顔」となったラグビー日本代表・五郎丸歩選手が15年12月16日、日本忍者協議会から「Master of Ninja」として表彰された。ボールを蹴る前の「五郎丸ポーズ」が忍者を連想させる点などが選出の理由だそう。
――ところで、どうしても気になるのは日本忍者協議会なる謎の団体だ。まさか、16世紀に生まれたという海外の秘密結社「フリーメーソン」の如く、戦国時代から密かに続く忍者同士のコミュニティとでもいうのだろうか?
今回、Jタウンネット編集部は同協議会とコンタクトをとることに成功。電話による取材で、その謎に迫った。
全国的な「忍者ネットワーク」を形成さっそく団体の概要について、日本忍者協議会の担当者に尋ねてみると、
「実は、うちの協議会は『忍者』というコンテンツを海外に発信することを目的に結成された団体なんです」
との答えが帰ってきた。実のところ、この日本忍者協議会は15年10月に発足したばかり。2020年の東京五輪を控えたいま、改めて「NINJA」を世界にアピールするために生まれた団体で、「Japan Ninja Council」なる英語名も定めているそう。
同協議会には、「伊賀流」の三重県や「甲賀流」の滋賀県、北条氏に仕えた「風魔一族」で知られる神奈川県小田原市など、忍者に縁のある10自治体が発足段階から参加している。15年12月17日には、徳川家康の下で活躍した「服部半蔵」で有名な愛知県が新たに加盟した。
また、協議会の担当者は「これまで寄せられていた、海外からの『忍者』に関する問い合わせに対応できる窓口が生まれたのも大きいと感じています」とも語る。
実はこれまで、忍者の定義は各自治体がバラバラに定めていたという。そのため、寄せられた質問の回答に苦慮することもあったそうだ。今回の協議会設立にあたって忍者の定義を一元化し、全国的なネットワークを形成。その上でさらに、各自治体が連携して忍者を活かした観光振興や経済の活性化を狙うという。
同協議会は16年を「忍者元年」と定め、さらに2月22日を「忍者の日」と制定。それに合わせて、大々的にイベントを開催する予定だ。
ちなみに、今年の「Master of Ninja」に五郎丸選手を選んだ詳しい理由は、
「当協議会が決めた忍者の定義の1つ、『インテリジェンスが高く、勤勉で忍耐強い』点に五郎丸選手が一致したためです。また、忍者もラグビーも『自分を犠牲にして仲間を活かす(ボールを進める)』というスタイルが一致するため、競技の性質としても選出にぴったりだと考えた点も背景にあります」
とのことだ。