SPYAIRのアリーナライブ「SPYAIR ARENA TOUR 2015『DYNAMITE ~シングル全部ヤリマス~』」の埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演が、12月22日に開催された。
今回のライブはバンドの結成10周年およびメジャーデビュー5周年を記念し、愛知・日本ガイシホール公演とさいたまスーパーアリーナ公演の2日間にわたって行われたもの。また過去にリリースしたシングルのタイトル曲がすべて演奏されることも事前に告知されていた。
オープニングで白を基調とした衣装に身を包んだ4人が最初に演奏したのは、メジャーデビューシングルより「LIAR」。MOMIKEN(B)、KENTA(Dr)のどっしりとしたリズムとUZ(G, Programming)の骨太なギターがIKE(Vo)の歌声を支え、場内の熱気を徐々に高める。続く「ファイアスターター」ではステージ前方に炎が上がり、4人のパフォーマンスを華やかに演出した。彼らは「ようこそ、SPYAIRの『DYNAMITE』へ!」というIKEの絶叫から「ジャパニケーション」「ROCKIN' OUT」とアッパーチューンを連発し、観客のテンションをさらに上げていった。
IKEはオーディエンスに「よくこんなに集まってくださいました。せっかくだから、一緒に最高のライブを作っていこうぜ!」と挨拶。その後も「Last Moment」「Naked」と、バンドの歴史を彩ってきたシングル曲を次々と披露する。「Naked」ではIKE、UZ、MOMIKENがアリーナ中央のセンターステージへ進み出て会場を沸かせた。MCでIKEはバンドの初期を振り返ったあと「ここまでたどり着いたら、1万人の素敵な人たちに出会えました」と観客に感謝を述べ、彼らの原点でもある野外ライブへの思いを込めたという「BEAUTIFUL DAYS」を熱唱。ここではストリングスカルテットが加わり、楽曲の世界にさらなる深みを与えた。
ライブ中盤、メンバー4人はセンターステージへ移動。愛知公演でMOMIKENが話したという、彼が目元に黒いラインを描いている経緯が再び語られた。名古屋で野外ライブを始めた頃はメンバー全員が人目を引くためにガスマスクをつけていたものの、いつの間にかMOMIKENのみが装着するスタイルに。この名残でメジャーデビュー後も彼だけが目立つラインを引いていると明かすが、ここでMOMIKENはファンに向かって「『SPYAIRってあの目を黒く塗ってる人たちでしょ?』みたいに言われてたらごめんな(笑)。でも、俺らが日本のトップにいればバカにされない話なのよ。バカにされないぐらい、この5年で俺らは駆け上がっていくから!」と宣言。彼の決意に、観客は大きな拍手を浴びせた。
そして4人は「My Friend」をアコースティックスタイルで披露。4人それぞれがボーカルを取るスタイルで会場を和ませたあとは、メンバーが登場するショートムービーが流れる。MOMIKEN以外のメンバー3人がサングラスを手にどこかへ向かっていく映像が終わると、アリーナ後方に3つ設けられたサブステージに衣装を改めたIKE、UZ、MOMIKENが登場した。場内に大歓声が満ちる中、彼らが演奏したのは「JUST ONE LIFE」。続く「WENDY ~It's You~」では3人が次々とトロッコに乗り込み、アリーナ席を1周してメインステージへ戻っていく。会場中を巻き込んだ演出にオーディエンスは大喜びした。
続いてはシングルのカップリング曲、およびアルバム収録曲からファン投票で演奏曲を決めるリクエスト企画のコーナーへ。茂木淳一が進行を務めるVTRで、この日の演奏曲となったベスト3「GLORY」「雨上がりに咲く花」「感情ディスコード」が発表されると客席からは大きなどよめきが沸き起こる。1位を獲得した「感情ディスコード」ではダイナミックなサウンドに乗せてIKEが高らかに歌声を響かせ、歌詞に込めたメッセージを力強く伝えた。
ライブはいよいよ終盤戦へ。ここでスペシャルゲストとして、最新アルバム「4」に参加したJASMINEが登場した。彼女を迎えての5人で披露されたのはもちろん「NO-ID feat. JASMINE」。IKEとJASMINEのパワフルな歌声が織りなすハーモニーが会場を圧倒した。その後ラストスパートとばかりに、「現状ディストラクション」「アイム・ア・ビリーバー」「サムライハート(Some Like It Hot!!)」が立て続けに演奏されていった。
本編最後の曲に入る前、IKEは昨年12月の活動再開からこの日までの1年間の心境を「俺はこの1年かけて、もう一度上を目指してみようと思いました」と明かす。そして「メンバーに『俺、あそこのステージでライブがやりたい』って話をしたら、メンバーも『いろいろ考えることはあるけど、いいじゃん!』って言ってくれたので……4年後に開催したいと思います。東京ドームで」と宣言。4年に一度の開催を発表していたこの「DYNAMITE」を、次回は東京ドームで開催することを目指すと発表し、オーディエンスから大きな歓声と拍手を浴びた。
「俺たちが夢や希望を発信して、みんなにパワーをあげたいと思います。これからも応援よろしくお願いします!」というIKEの言葉に続いて披露された最後の曲は「虹」。彼らの新たな目標への決意を込めるような熱い演奏に、観客は全力のシンガロングで応えた。
アンコールでステージに帰ってきた4人は、「イマジネーション」で場内の熱気を再び高める。それぞれが笑顔で歌い演奏し、この日のステージを存分に楽しんでいる様子を見せた。IKEはオーディエンスに改めて「俺らはこれしかできないから、これからも俺たちの音楽に触れて、よければ一緒にライブをやってください。今日は本当にどうもありがとう!」と語りかけ、ラストナンバー「SINGING」を1万人とともに熱唱した。最後はメンバー4人がセンターステージへ進み出て、手をつないで「ありがとうございました!」と生声で挨拶。観客も全力で拍手を送り、4人の熱演を讃えていた。
なお、このライブの模様は2月27日(土)にWOWOWライブにて放送されることが決定している。10周年を飾った豪華ライブの興奮を、ぜひオンエアでも体感してみよう。
01. LIAR
02. ファイアスターター
03. ジャパニケーション
04. ROCKIN' OUT
05. Last Moment
06. Naked
07. My World
08. サクラミツツキ
09. BEAUTIFUL DAYS
10. Winding Road
11. My Friend
12. JUST ON LIFE
13. WENDY ~It's You~
14. EZ Going
15. GLORY
16. 雨上がりに咲く花
17. 感情ディスコード
18. 0 GAME
19. NO-ID feat. JASMINE
20. 現状ディストラクション
21. アイム・ア・ビリーバー
22. サムライハート(Some Like It Hot!!)
23. 虹
<アンコール>
24. イマジネーション
25. SINGING
2016年2月27日(土)19:00~
撮影:田中聖太郎、中島未来