20日に横浜で閉幕したサッカー・クラブワールドカップの3位決定戦で「日中対決」が実現し、サンフレッチェ広島が広州恒大を下して3位となった。広州の動向を伝えるべく中国メディアも数多く来日したが、新華網の記者が「これは日本にかなわない」と感じたのは、東京を流れる川の「河川敷」だったという。
新華網は19日、同大会の開催期間中に実施した日本国内の調査報告を記事として発表。そこでは、江戸川、荒川、多摩川といった東京を流れる川の河岸に建物がまったくなく、両岸に野球場やサッカー場が並んでいることを紹介した。そして、行政が統一的に計画した河川敷の「運動公園」のほか、市民や学生が無料もしくは安価で利用できるサッカーグランドが大量に存在、週末には学校や地域間での試合が賑やかに行われていると伝えた。
翻って、上海や南京など東京と似たような姿で大きな川を持つ中国の大都市では、地価の高騰も相まって河岸にビルやマンションが建ってしまっていると指摘。建設時に住民の健康を目的に設置したバスケットボール場も、数カ月で駐車場に変わってしまうとした。
その一方で、学校の校庭以外に公共のサッカーグラウンドが少ないことを認識した広州市が2014年から16年までに地域の小型サッカー場を100カ所建設する計画を進めていることを紹介。アジアナンバー1のクラブチームを持つ都市として、草の根サッカーの普及に乗り出していることを示した。
今や中国の公園と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、おばちゃんたちの「広場ダンス」だろう。都市部にも市民の憩いの場となる公園はあるが、そこでできるのは「広場ダンス」かバドミントン、蹴り羽根くらいで、とてもサッカーの試合はできない。初めて中国に行った際、屋外の公園に卓球台があるのを見て驚いたが、卓球同様気軽に練習や試合ができる場所を増やすことが、中国で「サッカーをする」文化を普及させるカギとなるはずだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)