千葉県がんセンター(千葉市中央区)は25日、乳がんの30代女性の右乳房を誤って全て切除したと発表した。検体を取り違え、別の進行度の高い患者と勘違いしたという。女性は早期がんで切除の必要は低かったとみられる。

 取り違えの原因は不明で、同センターは女性に謝罪するとともに、外部有識者を含む事故調査委員会を設置して調べる。

 同センターによると、30代女性から10月中旬、乳がんが疑われる組織片を採取。同じ日に採取した別の女性の検体と取り違え、右乳房の摘出手術を行った。手術中に採取したがん細胞の病理診断で、組織型が検体と異なることに気付き、ミスが発覚した。

 検体は採取後、患者の氏名、ID番号が書かれた容器に入れて検査科に運び、技師が別の容器に2度移し替えた後で検査している。永田松夫病院長は県庁で記者会見し、「あってはならない。腹腔鏡事故を受けた改革中に起きたことを大変重く受け止めている」と陳謝した。