サンフレッチェ広島は26日、天皇杯準々決勝でFC東京と対戦した。先制点を許したが、FW浅野拓磨がヘディングで2ゴールを挙げ、2-1で逆転勝利。ガンバ大阪との準決勝に駒を進めた。
1点を追う61分に背番号「29」がピッチに入ると、スタジアムの熱気が一気に上昇した。
投入後にFC東京の東慶悟がこの日、2度目の警告を受け退場すると、追い上げムードはさらに加速。森保一監督は、畳み掛けるように74分にミキッチ、78分に佐藤寿人をピッチに送り込み同点を狙う。
執拗にサイドを攻め続け、85分についに相手の堅守を崩した。左サイドを柏好文が切り裂き、中央へクロス。タイミング良く走り込んだ浅野がヘディングで試合を振り出しに戻した。
試合は1-1のまま、延長戦に突入。99分には浅野が右足で決定的なシュートを放ったが、これは森重真人に水際で掻き出されてしまう。
迎えた103分、右サイドからのクロスを再び頭で合わせた。「特に何かを意識していたわけじゃない。ただ、コースに飛ばそうと思った」。ミキッチのクロスは相手DFに当たり、軌道が変わった難しいボールをゴール右隅に流し込んだ。
Jリーグチャンピオンシップ決勝第2戦、FIFAクラブワールドカップのTPマゼンベ戦でのゴールもいずれも「苦手」というヘディングによるものだった。
「試合中だと普段出ない力が出るのかも。ただ逆に(足での)シュートは外しているってこと。特に今日はチャンスがたくさんあったので、チームを苦しくしてしまった。うれしいですけど、自分としては喜べるゲームではなかったのかなと思います」
準決勝の相手はJリーグチャンピオンシップ決勝でも激突したG大阪だ。「最近ガンバとはめっちゃやっていますね」と苦笑いしつつ、「Jリーグの優勝チームとしての立場で迎えますが、一人ひとりがチャレンジャーの気持ちで臨みたい」と気持ちを引き締めた。過密日程が続くが、まだまだハングリーな広島の快進撃は止まることはなさそうだ。