心霊現象を扱ったテレビ番組やホラー映画を見たことがあっても、自分の目で幽霊を見た経験のある人は限られるだろう。本日TBSで18時55分から放映の「世界の怖い夜!トイレの花子さんが来たスペシャル」でも、心霊現象などのオカルトを特集している。だがそもそも本当に幽霊は存在するのだろうか? それとも存在しているが見える人にしか見えていないのだろうか? 「教えて!goo」にも「幽霊の見えるメカニズム」という、幽霊の見える仕組みを尋ねる投稿があった。
これに対して「磁場の強い地盤でできた山(富士の樹海や六甲山など)では磁場が脳に影響を与え幻覚を見せると聞いたようなことがあります」(masshiguraさん)や「そこにいないものを見て、現実と区別がつかないほどの感覚を持ったのであれば、ほとんど錯覚か幻覚でしょう」(poor_Quarkさん)との回答が寄せられた。意外にも霊感や霊能力についての回答はなかった。心霊現象は心理学的にどう考えられているのだろうか。心理学者の内藤誼人先生に聞いた。
■あなたも幽霊を見るかもしれない
「どんな人でも幽霊を見ることはありますよ」(内藤先生)
心理学者が幽霊の存在を認めた!?
「いえ、正確には、別のものが幽霊のように見えているだけですが」(内藤先生)
そういうことだったか……。幽霊でないものが幽霊に見えるというのも不思議な話だが、超常現象ではないらしい。どういうことだろうか。
「たとえば、人は『三つの点』を見るだけで人間の顔だと認識する傾向があるのです。これを『シュミラクラ現象』と呼びます。心理学的にはこれがオバケの正体です。一般的に『心霊写真』とされているもののほとんどはこの現象によるものでしょう」(内藤先生)
人間は視覚動物といわれ、瞬間的に顔を認識するプログラムが脳に組み込まれているとのこと。その働きが幽霊の見える仕組みとのこと。では、幽霊の声が聞こえる現象はどう説明がつくのだろうか。
■恐怖心が心霊現象を起こす
「本人の思い込みです。たとえば、電話から『ジジ……』というノイズが聞こえてくることがありますよね。あれも、恐怖心を持っている人には『許さない』と聞こえる可能性があるわけです」(内藤先生)
怖いと思っていると、あらゆることを心霊現象だと思い込んでしまうということだろうか。
「人間には、意味のないものに意味づけしたがる性質があります。ですから、その存在を信じている人ほど、幽霊を知覚しやすいのです。反対に、存在を信じない人は幽霊を見ることはないものですよ」(内藤先生)
幽霊の正体は、心理学的に見ると単に人間の思い込みのようだ。これまで幽霊に対して恐怖心を持っていた人は、不要な意味づけを行わず、最初から幽霊はいないものと考えてみてはいかがだろうか。そうすれば、夜中の墓地だって怖くなくなる……はず!?
●専門家プロフィール:内藤 誼人
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)