『POPEYE』で連載中の、二階堂ふみさんがさまざまな著名人、文化人にインタビューを行う「二階堂ふみのインタビュアー道。」が書籍化されている。その名も『アダルト 上 二階堂ふみがきいた大人の話』(マガジンハウス/刊)だ。
二階堂さんが19歳から20歳にかけて出会った魅力的な大人たち。それぞれの人生経験に裏打ちされたアドバイスや本音が、二階堂さんの質問によって紡ぎ出されていく。
落語家の笑福亭鶴瓶さんに対するインタビューのテーマは「結婚について」。親子どころか孫と子ほどの年齢差がある二階堂さんに対して、鶴瓶さんは柔らかい口調で、奥さんとどのようにして出会ったか、結婚とは何かについて答えている。
奥さんと大学生のときに知り合ったという鶴瓶さん。当時、落語家を目指していたが、「彼女が大学卒業するまでに食えるようにしてあげたかった」ことから、19歳の時にサラリーマンになることを告げた。しかし、彼女の答えは「それなら(鶴瓶さんとは)付き合わない」。自分がいるから違う道を進まれるのはつらいと言われたのだ。そして、大学2年生のときに大学を中退した鶴瓶さんは、本格的に落語家の道へ。結婚をするのは、彼女が大学卒業をしてからのことになる。
そんな鶴瓶さんは、奥さんと一度も喧嘩をしたことがないといい、その理由をこう語る。
他にも、水原希子さんには「仕事について」、椎名林檎さんには「音楽について」、ピエール瀧さんには「二十歳について」など、さまざまなインタビューが掲載されており、それぞれでインタビュイーの等身大の姿が映し出されている。読み応えのある一冊だ。