2015年は日本を訪れる中国人旅行客による消費に大きなスポットがあたった年だった。中国人旅行客の桁外れの消費は「爆買い」と形容され、流行語大賞を獲得するほどだったが、流行語大賞獲得のニュースは中国でも広く報じられた。
中国共産党機関紙・人民日報(電子版)は24日、15年に旅行のため出国した中国人は前年比16%増ののべ1億2000万人に達する見通しだと伝え、日本では1人あたり17万円以上も消費していると指摘する一方、「爆買いとの形容は不適切」と論じる記事を掲載した。
記事は、爆買いという言葉は、すべての中国人旅行客の消費を形容できるものではないと主張し、なかには普通の旅行を楽しんでいる中国人もいると指摘し、「日本メディアが脚光を浴びせているのはごく一部の旅行客にすぎない」と指摘した。
続けて、爆買いという言葉がもたらすイメージは決して良いものではないと指摘し、一部の日本人からも「爆買いという言葉で中国人旅行客を形容するのは適切ではなく、もっと良い言葉を捜す必要がある」、「目にしたものは何でも買うイメージで、良い印象はない」などの声があがっていると紹介。さらに、爆買いという言葉には、日本の中国に対する「侮辱」の色彩が含まれているとする日本メディアの見解も伝えた。
一方で記事は、韓国でも中国人旅行客について関心が高まり、「游客」という言葉が流行し始めているとしつつも、韓国人は中国人旅行客が購入するモノのすべてが自分用ではなく、友人や親戚に頼まれて購入するケースも多いことを理解していると指摘し、こうした消費を含めて爆買いと一言で論じるのは適切ではないことを理解していると評価した。
確かに中国人旅行客による日本での消費は凄まじいものがある。日本のテレビ番組では、一部の富裕層が買物をする現場に密着する番組も見られたが、こうした中国人がすべての中国人を代表しているわけではないことは日本人も理解している。こうした国外での消費は日本人も韓国人も経済成長の途上で経験したことであり、爆買いがいつまでも続くものではないことも理解しているだろう。(編集担当:村山健二)