オタ女＆腐女子に熱烈な支持を受け、年明け4日からは第2クールも放送開始となるTVアニメ『おそ松さん』（テレビ東京系）。Tシャツや缶バッジなどのグッズも好調だが、『おそ松さん』の効果はそれだけに留まらない。なんと、土台となっている『おそ松くん』の電子書籍版（eBookJapan）の売り上げが、80倍（前年比）まで上がったという。これには男性マンガファンも「腐女子は本当に貢献するな」と驚きを隠せない様子だ。
大人になってもニートでおバカをやっている、『おそ松くん』のその後の世界を描いた『おそ松さん』。TVアニメの好評を受け、「おそ松さん in ナンジャタウン」（1月31日まで）、「おそ松さん×animate cafe」（キッチンカー：1月15日～2月14日／新宿：1月19日～2月14日）、5月には声優陣総勢12名が大集合するトークショーの開催も決定しているほか、特集を組んだ「PASH！」（主婦と生活社）や「アニメージュ」（徳間書店）といった雑誌の売り切れが続出するなど、人気に終わりが見えてこない。
来月15日発売の大人の女性向けマンガ誌「月刊YOU」（集英社）にて、シタラマサコ氏によるマンガの連載も始まるが、それを待てないファンが多いのか、赤塚不二夫氏の電子書籍版『おそ松くん』まで爆売れする始末（松？）。前年比80倍としか発表されていないので、具体的にどれだけ売れたのかは不明だが、それでも『おそ松さん』効果は絶大と言える。また、eBookJapanが「来月14日まで、全34巻セットを半額（5,100円）で販売する」と伝えているため、ますます読み手を増やすことになるだろう。
国民的キャラクターであるアトムやちびまる子ちゃんなどの大人になった姿を描き、「マジで寒い」と批判を浴びたソフトバンクのCMとは大違いな、この『おそ松さん』現象に、男性からは「腐女子はマジで男オタより金落とす」「腐女子は作り手にとって神様だな」「女は金持ってるから、デートでおごる必要ないな」など、オタ女＆腐女子の行動力や財力を評価する声が上がっている。
また、「好きになって原作を知ろうとする姿勢はいい」「赤塚不二夫も天国で笑ってるな」「赤塚氏の家族も印税でホックホク」といった、原作評価に繋がるとする人も多く、事実、『おそ松くん』を読んだ女性からは「『おそ松さん』から『おそ松くん』を読んだけど、今読んでもすごく面白い。声出して笑った。まぁ、“さん”がなければ読んでなかったと思うけど」「元も面白いのね」などの声が見られた。
「『おそ松くん』のマンガ読んでみたいな」「この期に及んで、『おそ松くん』全巻欲しいよね」「『おそ松くん』あったら、とりあえず巻数関係なしに買ってる」「『おそ松くん』の電子書籍、全巻買ってしまったぜ。オフラインでも読めるから帰省中に読む」といった女性も多く、『おそ松くん』の本格的な再評価が始まる空気が漂う2015年末（松？）。来年は『おそ松さん』ではなく、『おそ松くん』の年になったりするのだろうか。