​最強生物はクマムシ | ニコニコニュース

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12月26日放送、「サイエンスZERO」(Eテレ)では、最強の生物について。アメリカではマッチョな生物が最強だと思われるが、日本では可愛さと危うさが同居しているクマムシが最強生物。クマムシがどれだけ最強かは語り尽くせない。

クマムシは、極限状態にも耐えるボディを持つ。乾燥は体重の85%を占める水分を3%にまで減らし、極度の乾燥状態に耐える。温度は151度の高温からほぼ絶対零度まで極低温まで耐えることができる。圧力は真空から75,000気圧の高圧まで耐える。放射線は高線量の紫外線、X線、ガンマ線等の放射線に耐える。X線の半致死量は57万レントゲンで、ヒトの致死線量は500レントゲン。

クマムシはミクロの世界に住む8本足の動物。熊みたいなのでクマムシと呼ばれている。単体のいきものの名称ではなく、1,000種類ほどいるものの総称をクマムシと呼ぶ。

まず温度だが、人間の細胞は55度程度まで耐性があるが、クマムシはなんと151度までの高温でも大丈夫なのだ。高温もすごいが、低温もすごい。絶対零度までほぼ耐えられる。-273.15度ということだ。ただし、乾燥状態に限り、151度の高温は平気だが、熱湯では死んでしまうという。

乾燥状態でも最強だ。体の85%が水分でできている。しかしこの水分を0.05%まで減らすことができる。そして乾眠状態に入るのだ。そうすると、水分のない乾燥状態でも生きることができる。寿命はそこまで長くなく、通常1ヶ月から1年程度で死んでしまうのがクマムシだが、この乾眠状態になると9年間も生きることが可能となる。

圧力でも最強だ。宇宙空間は空気がなく、クマムシはそんな真空の状態でも生きることができる。宇宙空間でも10日ほど生きることが確認されている。気圧も75,000気圧にまで耐えられるので、深海でも大丈夫なのだ。

放射線にも強い。57万レントゲンにまで耐えることができる。

地球には数百万の生物がいるが、このように環境が変わっても適応できる生き物はクマムシぐらい。過酷な環境になっても、乾眠状態、仮死状態、塩眠状態、冬眠状態になり生き延びて、元の環境に戻るとそのまま何事もなかったかのように動き出す。これが最強生物の所以だ。この貴重な特性が何かに活かすことはできないかと、日夜研究がすすめられている。