受動喫煙防止、法制化へ=罰則規定は先送り | ニコニコニュース

 2020年東京五輪・パラリンピックを前に、公共の場での禁煙・分煙を徹底するための法案の骨子を、自民党の受動喫煙防止議員連盟(会長・山東昭子元参院副議長)がまとめた。来年の通常国会で成立を目指す。ただ、罰則を含めた具体的措置は政府に別途法制化を求めており、実効性が法的に担保されるのはまだ先になりそうだ。

 議連がまとめたのは「受動喫煙防止施策推進法案」。受動喫煙防止のための施策は現在、健康増進法や改正労働安全衛生法が定めているが、事業者に適切な措置を講じるよう求める努力規定を盛り込むにとどまっている。

 これに対し、推進法案骨子は、教育、福祉、医療の各施設を禁煙、その他の公共施設では分煙を徹底するため、法施行後2年以内をめどに政府が「法制上の措置」を講じるよう求めている。違反した事業者や喫煙者への罰則規定には触れず、措置の具体化を政府に委ねた格好だ。

 自民党関係者によると、議連が骨子に罰則規定を盛り込まなかったのは、同党の有力な支持基盤である葉タバコ農家の理解を得るためだという。別の超党派議連がまとめた法案では、罰則を念頭に「実効性を確保する措置」を政府に求めているが、自民党議連は葉タバコ生産者への配慮から、政府に求める措置の内容をさらに曖昧にした。

 議連は骨子を基に各党に賛同を呼び掛け、法案を通常国会に共同提出したい考え。ただ、民主党などからは「規制をきちんとかけているかがポイントだ」との声が上がっており、罰則規定をめぐる調整が当面の焦点となる。