コーエーテクモゲームスは2015年12月15日,海洋冒険RPG「大航海時代V」(ブラウザ / iOS / Android)で,拡張パック「Road To Zipang」を実装した。このアップデートでは,いよいよ東アジアでの物語が始まり,黄金の国「ジパング」を目指すことになる。
ブラウザとスマートフォン用の基本プレイ無料タイトルで,パッケージソフトのような“拡張パック”を謳うのは少し不思議な気もするが,これは同社がこれまで出してきた拡張パックに匹敵する“大型アップデート”であるという意気込みの表れなのだという。
そんな本作について,あらためて紹介しておこう。大航海時代Vは,冒険家や商人が船で世界中を駆けめぐっていた大航海時代を舞台に,航海で消息を絶った主人公の父親の痕跡と,不思議な石の存在を追いながら,世界を冒険するという作品だ。2014年3月にブラウザ版の正式サービスが開始されて以降,スマートフォン版の配信,そして中国,台湾,韓国でのスタートを経て,プレイヤー数200万人を突破するなど,順調にサービスが行われている。いよいよ東アジア圏が登場するということで,どのサービス地域においても期待が高まっているのは間違いないだろう。
リンク:「大航海時代V」公式サイト
■「大航海時代V」は年末年始に遊ぶのにぴったり
ところで……この年末年始に,どんなゲームを遊ぼうかと迷っている読者はいないだろうか。実は,この時期に遊ぶのに,本作はもってこいの作品なのではないだろうかと,筆者は思っているのだ。というのも年末年始と言えば,多くの読者が帰省などで外出することが多い時期だ。きっと実家で,出先で,暇を持て余しているのではないだろうか。そんなときこそ,持ち込んだノートPCで,あるいはスマートフォンで本作をプレイするいい機会になるだろう。PC版とスマートフォン版でデータが連動しているので,いつでも,どちらからでも遊べるのが嬉しいポイントだ。
また,前述のとおり「Road To Zipang」が実装され,現在は東南アジア海域での航海が楽しめるようになっている。実際に日本へたどり着くのはもう少し先になると思うのだが,今からゲームを始めておけば,ちょうど良いところで,日本に到着するアップデートが実装されるかもしれない。
ちなみに本作は,見慣れた地域であっても,ゲーム中に手に入れた「海図」を使うことで,「海から内陸まで巨大な水路が広がるアフリカ大陸」など,地形が変化する「マルチポルトラーノ」システムが特徴となっている。いわば地形のifであり,自分だけの世界を発見する楽しさがある。日本では,どんなifが待ち受けているのか気になるところだ。
■「大航海時代V」を楽しむための3つの要素
さて,大航海時代Vというゲームの面白さについても言及しておこう。大航海時代シリーズの醍醐味と言えば,世界を「探検」してまだ見ぬ都市や遺跡を見つけ出し,ときに「交易」で金貨を荒稼ぎして,海賊や敵国艦隊と激しい「海戦」を繰り広げることだろう。そのシリーズの伝統は本作にも変わらず息づいている。
ただ,これまでのシリーズと大きく異なるのが,前述のとおり,プレイヤーの選択でifの地形が登場することだ。このifにより,実際には船で行き交うことができない内陸の街にも行けるようになるので,思いがけない場所で港を発見することもあるだろう。ただ,場合によっては,海岸線が延びて実在の港が消滅することもある……といっても,元の地図に戻せばちゃんと復活するので,その点はご安心を。
さて,冒険で発見できる都市には,一般的な交易品のほかに特産品と呼ばれるものが存在している。これを買い込んで別の都市で売れば,大きな利益が期待できるのだが,都市に「投資」を行って都市レベルを上げないと出現しないものがあり,簡単に荒稼ぎできるというわけでもない。やはり,大きな商いは,それだけ先行投資が必要になるのだ。
冒険という意味では,都市のほかに“拠点”を発見でき,その奥地を調査すれば遺跡が見つかることもある。遺跡をさらに調査,発掘すれば,「エジプトラクダ」「チーター」のような(当時のヨーロッパ人からすると)珍しい生物や「チチェンイツァ」「ハドリアヌス帝の浴場」「モヘンジョダロ」といった史跡,「ニーベルンゲンの指輪」「角笛オリファン」といった遺物まで,さまざまなものが発見できる。このあたりのディテールの細かさは,“歴史モノ”を得意とするコーエーテクモゲームスならではだ。
さて本作の舞台でもある“大航海時代”は,海賊が跋扈していた時代である。当時は,国から敵国の商戦を襲うことを認められた私掠船なども存在し,海上は探検による遭難の危険はもちろん,何者かに襲撃される恐れもあったのだ。そして,それは本作でも同じだ。遭難こそしないが,航海中に敵船に襲われることもある。しかし,逆にこちらから襲って積み荷を奪うこともできるのだ。
そんな血湧き,肉躍るバトルもシリーズの魅力のひとつだが,本作の戦闘はかなりシンプルなものになっている。
海戦が始まると,まず両軍が大砲を一斉掃射。そのとき,まだ艦隊に船が残っていれば,そこから攻撃したい敵船を選んでの砲撃戦へと進行する。砲撃戦のルールは簡単で,ジャンケンのような三すくみの関係にある「近距離攻撃」「中距離攻撃」「遠距離攻撃」のいずれかを選択して,敵船を攻撃するというものだ。ちなみに強弱の関係は,近距離>中距離>長距離>近距離……となっている。
攻撃方法の選択中は,敵船の得意攻撃と,航海士による攻撃予想が表示されており,うまく相手より強い攻撃を選べば大ダメージを与えられるのだが……ここがなかなか難しい。航海士のレベルが低いうちは予想の的中率も低く,敵が得意攻撃の表示を逆手にとり,裏をかいてくることがあるからだ。
なお,一斉掃射直後であれば,逃げることも選択できる。相手の強さを見極めて,ときには勇気ある撤退を決断しよう。また,戦闘開始時に結果だけ確認することもできるので,相手が弱いなど確実に勝てそうなときは飛ばしてしまってもいいだろう。
■史実の航海士と,港で待つ酒場娘を紹介
本作には個性豊かな,さまざまな航海士が存在する。それら航海士は,いわゆるガチャで入手できるのだが,本作オリジナルの航海士のほかに,実在した人物をモチーフにした航海士も多数登場する。ここでは,どんな史実の航海士が登場するのか,その一部となる25名を紹介しよう。
これら航海士の画像を見て分かるように,史実に登場する人物は……男が多い! “海は男のロマン”というくらいだから,しかたがないのだが,やはり華がほしくなるものだ。そこで,世界中の港で待っている(と信じたい)「酒場娘」も紹介したい。
各都市には「酒場」があるのだが,場所によっては綺麗な酒場娘と出会えるのだ。彼女達と会話したり,プレゼントを贈ったり,冒険譚を伝えたり,交流を重ねることで友好度が上がり,クエストのヒントを教えてくれたり,船をパワーアップさせる「紋章」をプレゼントしてくれたりする。酒場娘によって,好みのプレゼントや冒険譚は違うので,しっかりと調べてアタックしよう。
ただし,長く会っていないと友好度は下がり,また,あちこちの酒場娘と仲良くしていると,まれに嫉妬されてしまう――つまり友好度が下がることがあるので注意したいところだ。
■サービス開始以降に登場した「3つの新機能」を紹介
読者の中には,「かつて大航海時代Vを遊んでいたが,今はお休みしている」という人もいるかもしれないが,2015年末は再び海へ戻るチャンスでもある。というのも,全体的にゲームの難度が引き下げられているのに加え,いくつもの新機能が追加されているからだ。ここでは,2014年3月の正式サービス開始以降に追加された,大きな3つの新機能を紹介しよう。
●3つの新機能
(1)プレイヤー対戦
プレイヤー対戦は,その名のとおり,ほかのプレイヤーの船(NPC)と戦うPvPコンテンツだ。同程度の実力を持つ相手とマッチングされるのでフェアな戦いが可能で,もちろん報酬も用意されている。対戦用の船団を編成して,バリバリ戦うのも楽しいだろう。
(2)ギルド
気の合うプレイヤーと仲間になれるのがギルドだ。プレイヤー同士の交流はもちろんだが,所属するだけで「行動力」や「資材(※船の建造などで利用する)」の保有量が上昇するなどのメリットがあるので,できればどこかに所属したいところだ。さらに,「対戦」「海戦」「交易」「ヘルプ」といったランキングで,ほかのギルドと競い合い,上位のギルドには報酬が与えられる。交流と競争の両方を楽しめるコンテンツとなるわけだ。
(3)商館
商館は,アップデート「Road To Zipang」で追加された新要素で,プレイヤーレベル30以降に,リスボンなどの首都以外の同盟港に建設できるものだ。建てられる商館はひとつだけだが,条件さえ満たしていればほかの港に移転できる。
商館には,金貨や資材,NPを預けられる「金貨貯蔵庫」「資材倉庫」「広場」といった機能を持つ施設が設置可能だ。各ポイントが上限値を超えそうな,長く遊んでいるプレイヤーほど嬉しいものになるだろう。
また,プレイヤーが「遠征隊」を派遣できるのも,重要なポイントになるだろう。遠征隊は,船一隻と派遣したい5人の航海士で編成し,海域の危険度を下げる「討伐」,所属国と都市の親密度が上がることもある「交易」,拠点に派遣することで遺跡の発掘進捗を進めてくれる「探検」といった任務を指示できるというものだ。
商館の機能は,将来的にそれぞれの地域の特色を表現する方向で拡張されていくとのこと。今後,どのようなものが登場するのか,注目の要素と言えるだろう。
■大航海時代Vの序盤を乗り切るための5つの攻略ポイント
今回,東南アジア,そしてまだ見ぬ日本を目指すために,コーエーテクモゲームスの大航海時代V開発チームから,初心者に向けた5つの攻略ポイントを教えてもらったので,それぞれ紹介しよう。
●黄金の国ジパングを目指すための5つの攻略ポイント
・イベントを利用して難度の高いクエストをクリアしよう
イベントでは上位に入れなくても,ログインボーナスやアストラルロットだけで,序盤に有効なアイテムがたくさん手に入る。とくに投資イベントでは金貨を容易に稼げるので,これに合わせて,資金が必要なメインシナリオや海図ミッションを積極的にこなそう。
・デイリークエストと酒場のクエストをうまく両立させよう
デイリークエスト同じ系統のクエストを,酒場で同時に引き受けると効率よく達成できる。さらに港へ寄港するたびに酒場娘へと声をかければ,彼女達の友好度も早く上昇し,冒険のヒントなどがより正確に得られるようになる。
・戦闘クエストを中心に依頼を引き受けよう
海戦で勝利すると金貨/資材/NPがバランスよく手に入るので,序盤が非常に楽になる。初心者向けの海賊討伐などを積極的に引き受け,船団を強化していこう。ただし戦力が低いうちは,数で不利な戦闘は極力避けたほうがいいだろう。船の性能で勝っていても,数に押し切られることがあるからだ。
・育成するときは,LvをMAXにした航海士を指南役にしよう
Lv.1の航海士よりも,Lvを最大にまで上げた航海士を指南役にしたほうが,結果的に得られる経験値が多くなる。
・割のいい列伝クエストを引き受けて戦力をアップしよう!
航海士が持っている列伝クエストをクリアすると,報酬としてジュエルや設計図が手に入るものがある。これらの列伝クエストをクリアして戦力を整えよう。
<おすすめ列伝クエスト>
■「Road To Zipang」のほんの一部を紹介
リスボン(ポルトガル)から始まった冒険の旅も,今回のアップデートで,いよいよ東アジアでの物語が始まり,今後,東南アジアから中国,そして黄金の国「ジパング」へと広がっていくことになる。ここでは,その物語の一部をネタバレにならない範囲で紹介しよう。
プレイヤーは東南アジア海域で,ポルトガルのインド総督アフォンソ・デ・アルブケルケから,いろいろな依頼を受けることになる。その内容は,指定された品物を運ぶ貿易や,海賊を倒す戦闘などさまざまだ。
ゲーム開始時から,いろいろな意味で縁深い親友のジュピトルとも再会することになる。彼は交易商の少女 銭涼玉を連れて登場するのだが……プレイヤーと合流しての珍道中は爆笑必至なので,その展開は自分の目で確認してほしい。
そうして冒険を進めていけば「ジャンク船旧式」の設計図が手に入る。この船は積載量に優れ,性能自体も無課金で手に入る船としては,なかなか高い。そのため,ライト層には嬉しい船となりそうだ。船の建造は東南アジア海域にある都市のレベルを上げる必要があるので注意しよう。
最後に,PCブラウザ版のみとなるが,航海中の災害から船を守るなどの効果があるアイテムの詰め合わせセットをプレゼントしよう。入力可能な期間は,2016年6月1日正午(12:00)までとなる。この機会に,まだ見ぬ黄金の国ジパングへ向けて盛り上がる「大航海時代V」をプレイしよう。
【アイテムの詰め合わせセット】
【シリアルID】
【シリアルの有効期間】
リンク:「大航海時代V」公式サイト
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