若いうちは可愛いだけのアイドルで通用しても、年をとってもなんの芸もないままでは、芸能界を生き抜くことは難しい。どこかで脱アイドルを図る必要に迫られるのは人の世の常。そこで集めてみたのが、脱アイドルに見事成功した女優。そのなかにはアイドル時代を黒歴史化しているケースも少なくないのだ。
●篠原涼子(42)……2003年に宮藤官九郎脚本のドラマ『ぼくの魔法使い』(日本テレビ系)でヒロインを務め、女優として注目されるようになった篠原涼子。その後は『ハケンの品格』(日本テレビ系)など数々の人気ドラマで主演を務め、その地位を確固たるものとしている。そんな彼女は1990年にアイドルグループ・東京パフォーマンスドールの初代メンバーとしてデビュー。『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)にレギュラー出演してさまざまなコントに挑戦し、さらには1994年に小室哲哉プロデュースの『恋しさとせつなさと心強さと』でソロデビュー、大ヒットを記録するという華々しい過去があったのだ。
●仲間由紀恵(36)……2000年に主演を務めたドラマ『トリック』(テレビ朝日系)でブレイクし、2002年に主演ドラマ『ごくせん』(日本テレビ系)の大ヒットで名実ともに人気女優となった仲間由紀恵は、タレント養成学校「沖縄タレントアカデミー」に入学後、1995年に上京して芸能活動を始めている。工藤静香に憧れたという彼女は東京パフォーマンスドールに一時在籍するなど、当時はアイドルとして活動。しかし1997年にドラマ『しあわせ色写真館』(NHK)で初主演を務めたり、深夜アニメで声優に挑戦したりしたものの、人気という面では今ひとつパッとしなかったようである。仲間のアイドル時代は、黒歴史といえそうだ。
●満島ひかり(29)……園子温監督の映画『愛のむきだし』で高い演技力が注目され、2013年には民放初主演のドラマ『Woman』(日本テレビ系)でさまざまな主演女優賞を獲得し、今では誰もが認める演技派女優となった満島ひかり。そんな彼女の芸能界デビューのきっかけは、沖縄アクターズスクール主催のオーディションだった。7人組ユニット「Folder」に参加し、1997年に発売されたシングル『パラシューター』が10万枚以上のヒット。2000年に5人組ユニット「Folder5」となった後も3枚目のシングルがアニメ『ONE PIECE』(フジテレビ系)のオープニングに起用されるなど、それなりの実績を残している。
●永作博美(45)……『週末婚』(TBSテレビ系)など、さまざまな人気ドラマで主演を務め、相変わらずCMにも引っ張りだこの永作博美は、1989年『パラダイスGoGo!!』(フジテレビ系)の乙女塾オーディションに合格し、1期生としてデビュー。そのなかから選抜されたアイドルグループ・ribbonのメンバーとして活躍した。当時ribbonは自身のコント番組を持っており、その際に得た経験が後の女優業にも活かされているという。
アイドルから人気女優という流れは、多くの女性芸能人が夢見るルートだが、そのルートを走り抜けることは容易なことではない。ここで取り上げた女優はその希有な成功例といえるだろう。そんな彼女たちの共通点は、アイドル時代の経験を決して無駄にしていないこと。このあたりに成功の鍵が隠されているのかもしれない。