東日本大震災の復興事業で、異なる工事への同じ図面の流用や安全面での欠陥など、不適切な設計が横行していることが31日、分かった。設計会社などがずさんな設計をしても、発注主体の被災自治体が人手不足でチェックをできず、県、国も見抜けなかった。ことしは震災から5年、巨額の国家予算を投じた復興事業で、作業員の安全が脅かされ、追加工事で無駄な費用もかかる実態が浮かび上がった。

 問題があったのは震災の津波被害を受けた宮城県南三陸町の漁港復旧工事や、仙台市の河川工事、同県沿岸自治体の土木工事。関係者は「氷山の一角で、ほかにもずさんな設計は多くあった」と明かした。

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