【ソウル時事】韓国の元従軍慰安婦や支援者らは30日、ソウルの日本大使館前で定例の集会を開き、「朴槿恵政権は屈辱的な外相会談の結果を撤回せよ」と慰安婦問題に関する日韓合意に抗議した。また、最大野党「共に民主党」の李鍾杰院内代表は記者会見し、白紙に戻し再交渉するよう求めた。
元慰安婦を中心に合意への反発は強く、外務次官による説得も失敗。事態を収拾できるか不透明で、朴大統領自らが説得に乗り出すべきだとの声も広がっている。
日本大使館前の慰安婦問題を象徴する少女像のそばに、通常よりはるかに多い警察調べで約700人の支援者や学生が集結し、関心の高さをうかがわせた。マイクを握った元慰安婦の李容洙さんは「引っ張って行って慰安婦にした罪も知らず、妄言ばかり吐く日本をそのままにしていいのか」と涙ながらに絶叫。「最後の最後まで闘い、亡くなったおばあさんたちの無念も晴らす」と訴えた。
支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)」の尹美香常任代表は、今後、欧米などの市民団体と連携し、国際的な運動を展開すると強調。日本政府の法的賠償などを求めるとともに、「少女像を世界各地に広げる運動を行う」と表明した。
李院内代表は会見で、元慰安婦の意見が排除された上、韓国政府が一方的に譲歩し、「日本政府の法的責任認定」という原則が反映されなかったと批判。「今後、わが党が政権を取った時も、(合意に)いかなる拘束も受けず、政治・外交的に責任がないと宣言する」と述べた。