ロケット軍など新設=軍大規模改革が始動―中国 | ニコニコニュース

 【北京時事】中国人民解放軍が12月31日、「陸軍指導機構」(陸軍司令部)、「ロケット軍」、「戦略支援部隊」の3機関を新たに創設した。習近平中央軍事委員会主席(共産党総書記、国家主席)が創設大会に出席し、3機関の司令官らを任命した。国営新華社通信が1日伝えた。習主席は昨年11月、1949年の新中国建国後、最大規模の軍改革推進を宣言したが、本格始動した形だ。

 ロケット軍は第2砲兵(戦略ミサイル部隊)を改称、任務を引き継ぐ。習主席は「戦略抑止力の中心であり、わが国の大国地位を保つ戦略的な支えだ」と強調。国防省の楊宇軍報道官は「核兵器の先制不使用の政策を終始実行し、中国の核政策・核戦略に何の変化もない」と説明した。

 一方、解放軍は従来、陸軍が中心の縦割り組織で、陸軍の司令部は存在しなかった。今回の軍改革では陸、海、空軍とロケット軍を統括する「統合作戦指揮」体制の確立が柱になる。南シナ海などでの対立を受け、習指導部が海、空軍の強化に乗り出す中、陸軍司令部の新設で陸、海、空軍、ロケット軍を対等に位置づけ、伝統的な陸軍主導の指揮系統を見直す狙いだ。

 また戦略支援部隊に関して習主席は「国家安全を守る新型作戦戦力だ」と指摘した。サイバー戦略などの任務を担うとみられる。陸軍司令官には李作成成都軍区司令官、ロケット軍司令官には魏鳳和・第2砲兵司令官、戦略支援部隊司令官には高津・軍事科学院院長が任命された。