手帳の使いやすさを左右する一番の要素として、「スケジュール」を挙げることができます。手帳のメインとなるスケジュールを大別すると、「月」「週」「日」となりますが、このなかから自分に合ったものを選ぶのが、手帳選びの基本中の基本です。
当たり前の提案と思われるかもしれませんが、多くの人が使っているという理由で、見開きで左側が1週間のスケジュール、右側がメモページになった「週間レフト」の手帳をなんとなく選んでいる人は、めずらしくありません。これでは人によっては、効果的に手帳が使える可能性が低くなってしまいます。
たとえば、1日にいくつも予定が入る人は、「週間レフト」より、見開き1週間のスケジュールで縦に時間軸の入った「週間バーチカル」の手帳を使ったほうがいいでしょう。予定が一目瞭然となるため計画的に予定が入れられるようになり、ダブルブッキングの問題も起こらなくなります。
あまり予定が入らず、メモすることも少ない人なら、1カ月の予定が俯瞰しやすい見開き「月間タイプ」の手帳がお勧めです。逆に、1日にメモする量が多い人なら、「1日1ページタイプ」の手帳が適しています。
このように、まずは自分の状況に最も合ったメインとなるスケジュールのものを厳選するのが、手帳選びの第一歩といえるのです。
メインとなるスケジュールが決まれば、次は自分がよく手帳を使っているシーンを思い出してみてください。自分に合った手帳の「サイズ」が、自ずと分かるようになります。
たとえば、営業など外出が多い部署の人で、移動中にも手帳を使うことがよくあるのなら、スーツの胸ポケットに入れても、出し入れしやすいサイズのものがいいでしょう。逆に、外出の予定が入ることは滅多になく、デスクで使うことが多い人なら、大きな手帳でもかまいません。自分がメモしやすいと思うサイズのものを厳選するといいでしょう。
このとき、気をつけなければならないのが「重量」です。いくら自分の使用環境に合ったサイズの手帳でも、重さが気になるようなら、使いやすい手帳とはいえないからです。
ポケットサイズの手帳でも、メモページなどが多いため、重さが気になるものは少なくありません。デスクでしか手帳を使わない人でも、毎日鞄に入れて会社に持っていくのなら、重さが気になるものでは、持ち歩くのがイヤになってしまいます。
このように、自分の使用環境に合ったサイズ、重量の手帳を選ぶことも、手帳を活用するのに重要な要素となるのです。
このほか、「紙質」にもこだわるといいでしょう。これは有名な文具メーカーの手帳でも、あまり紙質がよくないことがあるからです。目で見て指先で触ってみるのはもちろん、最低でも、「書いた文字が裏抜けしにくい」と謳ったものを選ぶべきです。
ただし、書き味は好みがあるため、たとえば、若干引っかかりのある書き味が好きな人が、なめらかな紙質の手帳を買うべきではありません。かえってメモしにくくなります。よく分からない場合は、大型文房具店に行って、店員に聞いてみるのもいいでしょう。
そして、忘れてはならないのが「デザイン」です。いくら自分に合ったものでも、気に入ったデザインでなければ愛着がわかず、そのうち使わなくなってしまう可能性が高くなるからです。手帳は1年間毎日使うものなので、気に入ったデザインのものを選ぶのも重要なのです。
私の場合、1000円以下で買える「NOLTY アクセスマンスリー3」(日本能率協会マネジメントセンター)を気に入って使っていますが、どうしても表紙が気に入らないため、革カバーに替えました。これだけでも高級感がグッと増し、「10倍は愛着が持てる手帳になった」といっても過言ではありません。
このように最低でも「スケジュール」「サイズ」「重さ」「紙質」「デザイン」のポイントを押さえて探せば、本当に自分に合った手帳が見つかる確率が高くなる、といっても過言ではありません。