【北京、ハノイ時事】中国外務省の華春瑩・副報道局長は2日、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島のファイアリクロス(中国名・永暑)礁で新しい飛行場が完成し、民間機の試験飛行を実施したと発表した。南沙諸島の領有権を主張するベトナムは抗議しているが、華副局長は「活動は完全に中国の主権内だ。ベトナム側の非難は受け入れない」と主張した。

 中国が南沙諸島で試験飛行を行ったのは初めてとみられる。ベトナム外務省のレ・ハイ・ビン報道官は2日、声明を発表し、中国が「不法に建設した滑走路への飛行を行った」と訴えた。その上で「南シナ海の平和と安定、および航行の自由を維持するために、このような活動を直ちにやめるよう求める」としている。

 また、ベトナム外務省は、ハノイの中国大使館の代表者を呼び、抗議文を手渡した。

 国際軍事情報大手IHSジェーンズなどによると、中国はファイアリクロス礁で3000メートル級の滑走路を建設。専門家は昨年中にも運用を開始するとみていた。