中国メディア・環球網は12月28日、米国会図書館が発表した2014年の世界における武器売買報告で、韓国が78億米ドル(約9400億円)で世界最大の武器輸入国であることが明らかになったとする韓国・聯合ニュースの27日付報道を伝えた。
記事は、米国会図書館の組織である国会調査局がこのほど発表した14年の武器売買報告の内容として、14年に世界で取引された武器の金額は718億ドル(約8兆6500億円)で、最大の輸出国は362億ドル(約4兆4000億円)と半数以上を占めた米国だったと紹介。一方で、米軍撤退による安保上の空白を埋めるべく73億ドル(約8800億円)の武器を購入したイラクや、65億ドル(約7830億円)のブラジルを抑えた韓国が世界最大の武器輸入国となったと報じた。
そのうえで、韓国メディアの「ソウル経済」が27日にこの内容を報じるさい「2014年、韓国はついに米国を圧倒して世界一となった。それは武器の輸入額でだが」と皮肉気味に伝えたことを併せて紹介した。なお、輸入額78億ドルのうち、70億ドル(約8430億円)は米国からの「お買い上げ」だったという。
政治的には朝鮮半島問題を抱えて中国と日本、米国との微妙な距離を取る必要があり、経済的には内需が冷え込むなかで成長の原動力を中国や新興国市場に求めざるを得ない状況の韓国。「宇宙は韓国起源」などといささかオーバーに自意識の高さを「ネタ」にされることもあるが、現地メディアがこのニュースで繰り出した皮肉からは、何らかの発散方法を探し求める韓国社会の鬱滞したムードのようなものも滲み出ているようだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Ray Shiu/123RF)