ロシアのプーチン大統領は何かと冗談のネタにされやすい人です。日本のネットでも「おそロシア」「さすがプーチン」といった言葉を見かけますね。元KGBでこわもてという点がネタにしやすいのでしょうか!? 今回は、プーチン大統領に関するジョークをご紹介します。
まずはヨーロッパで言われているジョークです。
●今にプーチンの支持率は100%を超えるぞ!
ちょっと説明が必要ですね。普通、国家元首の人気というのは、国の経済状態が悪くなると下がるものです。ところが、原油価格の低迷などもあってロシアの経済状態は悪くなっているのに、それと反比例するようにプーチン大統領の支持率は上がっているのです!
一説によれば、ロシアの国民は「プーチンなら何とかしてくれる」という思いが強いので、国の状況が悪化すればするほど大統領の支持率が上がるのだとか(笑)。強い大統領というイメージが定着しているのでしょうね。
ちなみにロシア語で「アネクドート」は「政治風刺の効いたジョーク」のことです。旧ソ連時代には政治批判はご法度でしたが、その中でもさまざまなアネクドートが生まれました。プーチンジョークは旧ソ連時代の空気を受け継いでいるのかもしれませんね。
次に「9・11」に関するアネクドートを紹介しましょう。
「9・11テロ」では、アメリカのペンタゴン(国防総省)が襲撃されました。すぐにプーチンはブッシュ大統領にメッセージを送ります。その内容は……。
●だだ漏れ!
「ブッシュ大統領。このたびの襲撃でペンタゴンの重要機密書類が紛失したり、あるいは消失した場合は、私がご協力いたします。その際は、すぐにお知らせください。ただちにFSB(ロシア連邦保安局)に連絡を取ってそのコピーをお送りいたしますので」
非常に丁寧な言葉で書かれていますが、しゃれにならないことを言っていますね。もしこれが現実であればブッシュ大統領は怒り、もしかしたらエラいことに……。
次の二つは、国際ジョークに詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の名越健郎(なごしけんろう)さんの著作に載っているものです。
●アネクドートは駄目よ!
ロシアの監獄で囚人たちが話し合っていた。
「わしはフルシチョフのときも、ブレジネフのときも投獄された。エリツィンとゴルバチョフのときは無事だったが、プーチンになってまたぶち込まれた」
「あんたは暗黒街の顔役なのか」
「わしはアネクドートを作っただけだ。暗黒街の顔役は皆、政権に入っている」
非情なプーチンの顔が浮かんでくるようなジョークです。
●その質問は駄目です
プーチン大統領がモスクワの学校を訪れ、授業を視察した。すると、生徒のイワンが大統領に質問した。
イワン「大統領、二つ質問があります。一つは、ベスランの学校占拠事件で治安部隊に突入を命じたのは誰ですか? 二つ目は、チェチェン戦争のきっかけとなった99年のアパート爆破事件は誰の犯行ですか?」
プーチン大統領が答えにたじたじとなっていると、突然、終業ベルが鳴った。再び始業ベルが鳴り、大統領が教室に入ると、今度はミーシャが質問した。
ミーシャ「大統領、四つ質問があります。一つは、治安部隊に突入を命じたのは誰ですか? 二つ目は、アパート爆破事件の犯人は誰ですか? 三つ目は、終業ベルがなぜいつもより早く鳴ったのですか? 四つ目は、イワンはどこへ連れて行かれたのですか?」
連れていかれるとは恐ろしいです……。してはいけない質問もありますよね。
⇒出典:『ジョークで読む国際政治』(名越健郎、新潮新書)
http://urx2.nu/q3yN
プーチンジョークを扱ったサイトは各種ありますので、その中から幾つか挙げてみましょう。
●ロシア軍がフィンランド国境に穴を掘ってるぜ
プーチンはウインドーショッピングだって言ってるよ。
●プーチン「2018年に私が再選されるかどうか判断するには時期尚早だ。早すぎないように決めるよ」
●プーチン大統領の離婚は極めて友好的に行われたといえるでしょう。彼女はまだ生きてますから。
●プーチン「ロシアがNATOを攻撃するなんて、そんなこと考えるのは頭のおかしいやつだけだよ」
どのジョークも、危険思考なものばかりですね……。
⇒出典:『Vladimir Putin Jokes』
http://www.sickipedia.org/celebrities/vladimir-putin
プーチンさんは、テロリストへの制裁など容赦ない行動を取る人ですが、この筋の通った姿にロシア国民は期待するのではないでしょうか? 強烈な個性の持ち主だからこそ、ネタになってしまうのでしょうね。
(吉田ハンチング@dcp)