第190通常国会が4日召集される。自民、公明両党は、経済対策を盛り込んだ2015年度補正予算案、16年度予算案の早期成立を図り、夏の参院選に向けアピール材料としたい考え。一方、野党側は、民主、維新両党が衆院統一会派の結成後初めて本格論戦に挑み、対決姿勢を強める構え。与野党攻防は冒頭から過熱しそうだ。
通常国会の会期は6月1日までの150日間。1月召集となった1992年以降、最も早い召集日となる。
4日は、衆参両院の本会議で安倍晋三首相が外交報告、麻生太郎副総理兼財務相が補正予算案に関する財政演説をそれぞれ行う。これに対する各党代表質問は6日に衆院、7日に参院で実施。与党は8日にも衆院予算委員会で補正予算案の実質審議に入り、今月中旬に成立させたい意向だ。
首相の施政方針演説など政府4演説は22日にも行われる見通し。与党側は、今月末に16年度予算案の実質審議を始め、年度内の成立を目指す。昨秋の臨時国会が見送られたため処理が遅れている国家公務員の給与法改正案の早期成立も図る。
安倍政権が掲げる「1億総活躍社会」関連施策を盛り込んだ両予算案に対し、野党側は「選挙目当てのばらまき」と批判。17年4月の消費税増税に伴う軽減税率導入に関しても、財源のめどが立っていない問題などを厳しく追及する方針だ。
4月以降の後半国会は、環太平洋連携協定(TPP)の国会承認が焦点。与党は衆参両院に特別委員会を設置して速やかに承認したい考えだが、野党は徹底審議を求めている。また、野党側は高木毅復興相らの「政治とカネ」をめぐる問題の追及も続ける。
政府・与党は会期を延長せず、参院選に臨む方針で、衆院選との同日選も取り沙汰されている。