小学生のころに大流行したあの文房具、今でも販売されているのだろうか――。バトエンにねりけし、ロケット鉛筆を取り上げた前回に引き続き、「かつて流行した文房具」の現在を調査する。
ボタンを押すと鉛筆が起き上がったり、筆箱のあちこちにある収納スペースが飛び出したり――。80年代から90年代にかけて、小学校低学年の児童を中心にブームを巻き起こした多機能筆箱。まずは、その「進化」を取り上げたい。
「やりすぎだろ!」とツッコミたくなる多機能筆箱からくり箱のような遊び心あふれるギミックで、「合体ロボみたい」と男児を中心に人気をあつめた多機能筆箱。まだまだ現役なようで、ネット通販はもちろんのこと2~3月の新入学シーズンには百貨店などの文具コーナーでも取り扱いがあるという。
加えて、現代ではさらなる進化を遂げている種類も存在するようだ。たとえば以下の筆箱なんて、表面に大きく「電卓」が設置されているのだ。いや、便利なことは確かなのだが......。
なんと「照明付き」の筆箱まであるという。アームで自由に角度を調整できるらしく、商品説明欄には「子供にもっと明るい学習環境を提供」とある。少しやりすぎな気もするが、確かに子どもは喜ぶかもしれない。
ローラー消しゴム机の上に散らばった消しゴムのカスをきれいに掃除できる――。続いて取り上げるのは、70年代に登場した「ローラー消しゴム」だ。その実用性はさておき、オモチャのようなギミックに夢中になる子どもが続出した。
実はこのローラー付き消しゴム、現在の子どもにも大人気なのだという。新製品も続々と発売されているようで、そのデザインもディズニーやサンリオといった定番だけでなく、なんと「パズドラ」や「くまモン」がデザインされたものも存在するようだ。
サクラクーピーペンシル最後に紹介したいのは、サクラクレパスの「クーピーペンシル」。色鉛筆とクレヨンの中間のような、柔らかいタッチと滑らかな書き心地を持ったロングセラー商品だ。1973年の登場から40年以上にわたって子どもに愛される「定番」の1つだ。
今でも現役バリバリで、特徴的な幾何学模様のパッケージデザインも発売当初から変わっていない。ただ1か所だけ、時代の変化を感じさせる表記の変化が。かつては「肌色」と表現されていたものが「うすだいだい」となっているのだ。
以上、前後編にわたって6つの文房具を紹介した。結果からいえば、あの頃流行していた文房具のほとんどが現在でも製造・販売されているようだ。それだけでなく、クーピーや多機能筆箱など、時代の流れにあわせて何らかの「変化」や「進化」を遂げているものも見つかった。
しかし改めて振り返ってみると、いずれも「そりゃ、流行るよなあ...」と納得できる魅力的な文房具ばかり。現代の子ども達の間で、「バトエン」や「ねりけし」などがいつまた流行しても全くおかしくはなさそうだ。