広東省中山市の博愛医院(博愛医院)で2015年11月下旬、医師が出産した女性の体内にガーゼの塊を残したことが分かった。病院側は事実として認め、医師が「医師の気分が不安定だったから」と説明した。
女性は11月下旬に博愛病院で双子を出産した。最終的に帝王切開を採用して大量の出血があったが、母子ともに無事だったという。
女性は翌日になり、自分の下腹部にガーゼの塊が入っていることに気付いたという。女性側は改めて博愛病院に連絡して、あれ溜めて検査を受けたが、ガーゼは残っていなかった。体内に入れられたガーゼは一塊だけだったと考えられる。
病院側は、手術を担当した医師が女性の体内にガーゼを残したことを認めた。理由としては、「しばらく前に医師の母親が外出時に転倒して気持ちが不安定になり、仕事に集中できなかったから」と説明した。
博愛病院側は、女性の体内にガーゼを入れたのは、大出血に対応するためと、医療上の行為だったと主張。担当医はガーゼを取り除く必要があることを周囲に伝えず、結果として放置してしまったミスと説明した。
病院は担当医を含めて医師ら4人が同日中に女性の家を訪れ、果物と見舞金1000元(約1万8000円)を渡した。ただし家族側が要求した「ガーゼを取り忘れたことが原因で病気になった場合には、責任を取る」との承諾書作成に対し、病院側は「前例がない」として拒否。
さらに病院側が作成した経緯と状況の説明書に、病院の印や責任者のサインがなかったことで、家族側はさらに態度を硬化させた。家族側は出産費用の実費分の全額払い戻しと、補償金の支払いを求めている。家族側は「補償金の話をしたところ、病院側は態度を急変させた」と不信感を強めた。
病院側によると、家族の求めた金額は最低でも計1万元を超えると説明。広東省の規定で、1万元を超える場合には病院の独断で決められず、司法機関の判断が必要なため、家族に伝えたという。
女性の夫によると、病院には病気発生の場合に責任をとることと、検査の続行、半年後の精神カウンセリングを求めた。女性の感情が不安定になり、「お腹の感じがおかしい」、「私の体はどうなるの」などと泣きながら言うことが連続しており、少しでも安心させるために病院に対処を求めたという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)